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金持ち重税は望ましい? ダウンタウン松本発言で考える

2013/12/12(木) 10:16配信

THE PAGE

 ダウンタウンの松本人志さんによる「高額所得者は高額納税者であることを知って欲しい」という発言が話題になっています。与党はちょうど、来年度の税制改正大綱において高額所得者への増税を打ち出しましたが、お金持ちの人にたくさんの税金を課すことにはどんなメリットがあり、逆にどんなデメリットがあるのでしょうか?

 日本は、所得が大きいほど税金の割合が高くなる累進課税制度を導入していますが、高額所得者からたくさん税金を取ることについては賛否両論があります。ただこうした議論は、各人が様々な立場で発言してしまうので、論点が定まらないことも少なくありません。

格差是正か、税収確保か

 高額所得者の課税に関する議論を見てみると、主に所得格差是正に関する論点と、税収をどう確保するのか、あるいは経済をどう活性化させるのか、という経済・財政に関する論点の2つが存在しているようです。

 残念ながら所得格差是正の問題と経済・財政に関する問題はあまり両立しません。日本では年収1000万円超の高額所得者は給与所得者のわずか4%ですが、所得税の税収に占める割合は半分近くに達しています。全体の4%に過ぎない高額所得者が、全体の半分の税金を支払っているわけです。

 一方、年収300万円以下の人の所得税は実質、給与の1.5%以下となっており、ほとんど無税に近いというのが実態です。もっとも高額所得者の給与に対する所得税の実質的割合はまだ30%程度ですので、この割合を上げれば、理論的にはさらに所得格差を解消させることも可能となっています。

 高額所得者の負担を増やすと景気にマイナスになるという見解もありますが、必ずしもそうとは言い切れません。欧州や米国は、日本ほど極端な累進課税にはなっていませんが、高額所得者の税負担はむしろ日本より重くなるケースもあります。しかし富裕層への高い税金が理由で経済成長が阻害されているわけではありませんし、資産の海外逃避もそれほど発生してはいません。

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最終更新:2016/2/8(月) 3:49
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