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エアバス親会社の防衛大手EADSが大リストラ 背景は?

2013/12/13(金) 14:00配信

THE PAGE

空前の軍事費削減

 エアバス社の親会社で、欧州の航空宇宙最大手のEADSは2013年12月9日、宇宙・防衛部門を再編し、従業員5800人を削減すると発表した。世界的に軍縮が急ピッチで進み、防衛部門の売上げ見込みが立たないことが主な原因。一方、民間航空機の受注は絶好調となっており、社内での人員再配置を進める。防衛産業は全世界的に厳しい環境に置かれている。

 現在、欧米各国はかつてない勢いで軍事費の削減を進めている。米国は2010年以降、防衛費の大幅削減を開始しており、すでに5兆円の軍事費が削減されている。

 米国は今後さらに軍事費の削減を進めていく予定であり、今後10年間で4870億ドル(約50兆円)もの軍事費がなくなる予定となっている。また英国は過去3年で3兆円、フランスは約4000億円、ドイツは約1000億円の軍事費を削減した。

 こうした空前の軍事費削減は、各国の防衛産業を直撃している。EADSが抜本的なリストラに踏み切ったのも、長期にわたって防衛関係の市場の伸びが期待できないからである。米国の防衛大手も同様であり、ロッキード・マーティン社が日本や韓国に次期主力戦闘機候補としてF-35を強力に売り込んできているのも、こうした事情が背景にある。

兵器のIT化進む

 世界的な軍事費の削減は、イラク戦争の完全終結や、各国の財政再建要求が厳しくなっていることなどが大きく影響している。だがそれにも増して重要となっているのが、兵器のIT化が進み、戦争の質が大きく変化してきていることである。

 オバマ政権は現在、無人機の配備を急ピッチで進めている。無人機は情報技術の塊ではあるが、装備自体は汎用のパーツで構成されており、従来の兵器と比較すると劇的にコストが安い。

 また軍事作戦における情報システムの本格的な活用によって、軍隊をオペレーションする効率が以前に比べて格段に向上した。従来と同程度の戦力を確保するのに必要な兵員数は半分程度で済むともいわれている。

 例えば英軍では、2010年から兵員数の大幅な削減を進めている。すでに3万人の兵員を削減しており、最終的には全体の約2割の兵員を除隊させる方針だ。フランスも10%の兵員数削減を進めている。

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最終更新:2015/12/21(月) 4:31
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