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製造業の「国内回帰」欧米で増加、今後どうなる?

2014/1/11(土) 9:00配信

THE PAGE

 経済のグローバル化が進む一方、自国産の製品を見直す動きが欧米で広がっています。こうした動きは今後のトレンドになるのでしょうか?

[図表] 主要国の実質GDP成長率

■「メイド・イン・デトロイト」が話題

 かつては自動車産業の中核都市として栄えたデトロイトは現在、荒れ果てた状況となっています。デトロイトに本拠を置く自動車メーカーのGM(ゼネラル・モーターズ)は米国政府の支援もあり劇的な復活を遂げました。しかし、リーマンショックの後遺症は大きく、多くの市民がデトロイトを去ってしまい、市は税収不足から破産宣告を受ける事態となっています。

 そんなデトロイトでShinola(シャイノラ)という新興メーカーが話題となっています。同社はかつて自動車工場で働いていた熟練工を採用し「メイド・イン・デトロイト」を売り文句に、時計や革製品、自転車などの製造を行っています。米国製にこだわった同社の製品は決して安くありませんが、顧客からの評判は上々ということです。

 一方、欧州でも同じような動きが見られます。世界屈指の製造業大国であるドイツは別として、フランスなどでは自国産製品に対する顧客の関心が高まっています。百貨店やスーパーなどでは、メイドインフランスの製品を集めた催しが多数行われていますし、現地メディアでもこうした話題はよく取り上げられています。

■背景には新興国の人件費高騰

 ただ自国産製品にこだわるといっても現実はそう簡単ではありません。最終的な組み立てを自国で行ったとしても、それぞれの部品やそれを構成する素材というレベルになると、すべてを自国産で賄うことは困難です。フランスの小売店での企画は、一定割合以上がフランス製であればメイドインフランスと認定するという、少し緩やかなルールが適用されているようです。

 経済全体として見た場合、中国をはじめとする新興国の人件費は確実に高騰しています。輸送コストや政治的リスクなどを考えると先進国に製造拠点を戻した方が有利になるケースが増えてきているのは事実といってよいでしょう。欧州の調査では、2012年の段階で欧州に製造拠点が回帰したケースは、イタリアで72件、ドイツで42件、フランスで32件あったそうです。

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最終更新:2016/1/27(水) 3:06
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