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所得格差の拡大は悪いこと? 「2014年最大のリスク」ダボス会議で議論

2014/1/23(木) 9:00配信

THE PAGE

 ダボス会議を主催する世界経済フォーラムは、2014年版の報告書において、今後もっとも発生する可能性の高いリスクは所得格差問題であるとの指摘を行いました(一部報道ではもっとも影響が大きいリスクとされていますが、実際には発生する確率が高いリスクです)。所得格差の拡大はどのような弊害があるのでしょうか?

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 所得格差を示す指標の一つにジニ係数と呼ばれるものがありますが、OECD(経済協力開発機構)による調査では、多くの国で所得格差が拡大する傾向を示しています。所得格差が大きくなると、一部の富裕層に富が集中することになります。

 富裕層の人は確かに派手に消費をしますが、同じ人間ですから、衣食住など基本的な生活コストが中間層以下の人と比べてそれほど違いがあるわけではありません。数という点では中間層以下の人が圧倒的に多いわけですから、富の集中化は消費の停滞を招く可能性があるわけです。また格差が拡大すれば、各国で政治的合意を得られる確率が低くなり、経済政策が滞ってしまうことも考えられます。

景気が悪いと格差縮小

 一方、所得格差の拡大については別な見方もできます。確かに所得格差が極大化してしまった後には、消費の停滞が起こるのですが、所得格差の拡大が進んでいる最中は、経済成長率が高いというのも事実なのです。

 日本においても同様で、過去100年間の経済成長率と所得格差の関係を調べてみると、高度成長期やバブル経済期、大正時代のバブル経済期など、経済成長が著しい時代には所得格差が急激に拡大しています。高度成長期は全員の給料が上がったので不満が出ませんでしたが、格差は着実に拡大していたのです。

 一方、バブル崩壊から現在までの20年間や、世界恐慌直後から太平洋戦争にかけてなど、景気が最悪だった時代には所得格差が大幅に縮小しています。マスコミ報道では、日本では格差が拡大しているとの報道が目立ちますが、現実の日本における所得格差は縮小が続いているのです。

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最終更新:2016/2/9(火) 3:12
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