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東大推薦入試はうまく機能するのか?

2014/2/5(水) 15:00配信

THE PAGE

 東京大学は1月29日、2016年度に入学する学生の選抜から、一部で推薦入試を導入すると発表しました。ペーパー試験に偏らず優秀な人材を選抜するという入試改革の一環なわけですが、これはうまく機能するのでしょうか?

 推薦入試の対象となる学生は100名で、求められる学生像としては「十分な学力を有しつつ、特定の分野や活動において卓越した能力を持つ人物」ということになっています。具体的には、留学経験、TOEFLなどの外国語、数学オリンピックの入賞経験といった項目が列挙されています。特に各学科で目立つのは外国語や外国の大学入試テスト(国際バカロレア、SATなど)試験の結果など、数値で示すことが可能な実績です。

 推薦入試といっても大学入試センター試験を受けなくてよいわけではありません。書類選考や面接を実施したのち、センター試験を受験し、8割以上の得点を獲得していることが条件となります。一般試験における東京大学合格者の多くがセンター試験において9割以上を獲得している可能性が高いことを考えると、推薦入試におけるペーパー試験の比率は下がっていると考えることができます。しかし8割でよいといっても、旧帝国大学に合格するギリギリの水準ですから、それほど多くの人に間口が広がっているわけではありません。結局のところ、通常のペーパー試験でも十分に通る学力レベルの人が合格する確率が高いと考えてよいでしょう。またSATやバカロレアなど、センター試験の代わりにしかならないテスト成績を特殊な才能の基準としてよいのかについても疑問の余地が残ります。

 こうした入試改革は、試行錯誤が重要ですから、とりあえずいろいろな形でスタートさせてみるのはよいことかもしれません。しかし最大の問題はなぜ入試改革を行う必要があるのかという根本的な部分にあります。

 適性や能力を多面的に評価する選抜方法は以前から実施されており、一時はAO(アドミッション・オフィス)入試が普及した時期もありました。しかし、学力の乏しい学生が増えたという批判が高まり、推薦入試といっても今回のようにペーパー試験に比重を置いたものが重視される傾向に戻ってきています。

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最終更新:2016/2/13(土) 4:00
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