ここから本文です

立候補後にも出馬辞退って出来るの? /早稲田塾講師 坂東太郎のよくわかる時事用語

2014/2/6(木) 18:00配信

THE PAGE

選挙に立候補した後に、出馬を辞退することはできるのでしょうか? 答えは、選挙管理委員会が選挙を「告示する前」ならばできます(衆議院総選挙と参議院通常選挙は「公示」)。「告示」とは公職選挙法が定めた正規の選挙活動が始まったという号砲です。その日のうちに立候補の届出をしないと、過去に何十年も「出馬」表明して「選挙」活動をしていた者でも参加すらできません。いわば告示日から投開票日前日まで(当日は選挙運動禁止)が「正規のレース」となります。ですから、いったん立候補を届け出てレースを始めたら、つまり「告示日の立候補受け付け時間終了後」は辞退できません。

「告示前」の辞退例

「告示前」の辞退として記憶に新しいのは2014年1月に投開票された沖縄県名護市長選です。名護市辺野古に米軍基地を移設することに反対の現職に対し、「容認」の新人と「推進」の元職が出馬の意思を明らかにしました。「基地を移そう」と考える側にとって「容認」と「推進」は似たりよったりで、支持層が説得した結果、「容認」の新人が「推進」を掲げることで元職の辞退を得、一本化に成功しました。

「告示後」に辞退したくなったら?

では「告示後」にやる気を失ったり、名護市長選のように主張がかぶる有力候補がいて、一本化しないと反対の主張を唱えるライバル候補にかなわず共倒れするとわかった場合などはどうでしょうか。先に述べたように投票所での名前を消し去るといった完璧な辞退はできません。ただ「やる気がなくなった」「もう降りた」と主張するのは可能です。というか構いません。

告示後の選挙戦からの離脱で思い出すのは2010年11月の福岡知事選挙です。記者会見で「選挙活動を取りやめる」と宣言した候補者は理由として「票が伸び悩んでいる」とか対立する候補に勝つため共倒れないよう「票を割らない」ようにしたと述べています。それでも3%近い得票があり「有効」とされました。もちろん落選しました。

告示後の辞退を、主に一本化をめざして事実上行うのであれば、まず片方が「降りる」と宣言しないと始まりません。その事実を報道するのも合法です。ただし残った候補が「私が当選したらそれなりに遇する」といった約束をしたり、お金のやりとりがあったら違法。あくまでも本人の意思だけで「やめた」といわなければなりません。その過程で降りる候補と残る候補が話し合うのは構いません。といって降りた候補が残った候補を「応援する」といってはなりません。面倒くさいですね。すべて公職選挙法という法律による決めごとです。

1/2ページ

最終更新:2015/9/21(月) 4:12
THE PAGE