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ワインはお金持ちのシンボル? 中国がフランスを抜いて赤ワイン消費量世界一に

2014/2/10(月) 12:12配信

THE PAGE

 中国が世界最大の赤ワイン消費国なったことが明らかになりました。お金持ちになると高級な赤ワインに憧れるようになるのは古今東西を問わず共通なようで、かつてはアメリカや日本も同じような道を辿ってきました。中国のワイン消費量増大はまさに時代の流れといってよいでしょう。

 世界最大規模のワイン見本市「Vinexpo」の調査によると、2013年における中国での赤ワイン消費量は1億5500万ケースに達し、世界第1位となりました。ちなみに2位はフランスで1億5000万ケース、3位はイタリアで1億4000万ケース、4位は米国、5位はドイツとなっています。

 中国は14億人近くの人口を抱えていますから、ごく一部の人がワインを飲んだだけでも相当な消費量になります。しかし、中国における白ワインの消費量は世界5位であることを考えると、中国でワイン文化が全面的に拡大しているわけではなさそうです。中国でのワイン拡大の背景にあるのは、ズバリ、贈答用や接待用としての消費です。

 習近平政権は共産党幹部を中心とした特権階級が接待を受けたり、贈答品をもらうことを厳しく制限する方針を掲げていますが、依然として中国は接待文化の国です。中国人はフランス文化に強い憧れを持っているといわれており、ボルドーを中心とした高級なフランス産赤ワインは贈答用として高い人気を誇っています。

 しかし中国人のワインの嗜み方はまだ洗練されているとはいえません。高級な赤ワインはあまり冷やさず飲むのがよいとされていますが、中国人の中には「ぬるいと言って氷を入れてしまう」(ある中国人ビジネスマン)人も少なくない状況です。

 しかし欧州よりも後に経済力を付けてきた国は多かれ少なかれ同じような道を辿っています。今でこそ米国人は日常的にワインを嗜むようになりましたが、以前は米国人の飲み物といえばビールが定番でした。カリフォルニアを中心とした米国産高級ワインは、現在では本場フランスを凌ぐ水準に達していますが、かつては米国人にワインの味は分からないといわれていたのです。

 これは日本にも当てはまります。1980年代より以前は、日本にはあまり十分な数の高級ワインが流通していませんでした。サントリーがワイン文化を拡大させる目的で、ボルドーのシャトーを買収した時には、成金日本人が札束でフランスの文化を買い叩いたなどと批判されたこともあります。現在、ボルドーのシャトーを積極的に買収しているのはほとんどが中国人です。中国人もあと10年もすれば、成熟してワインを楽しめるようになるかもしれません。

 ちなみにワインの本場フランスでは年々ワインの消費量が減少しています。その背景にはグローバル化による嗜好の多様化があるといわれています。ワインはすでにフランス固有の文化ではなく、リッチになったことの記号としてグローバルに機能しているのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/21(日) 4:12
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