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衛藤発言、籾井発言で考える ── 発言取り消しってアリなの?

2014/2/19(水) 19:32配信

THE PAGE

 安倍首相の靖国参拝をめぐり米国政府を批判する発言を行った衛藤晟一首相補佐官は2月19日、自身の発言を取り消す意向を明らかにしました。また従軍慰安婦問題に関する発言が問題になったNHKの籾井勝人会長も「じゃあ取り消します」と発言し話題となっています。そもそも公のポストにある人の発言は取り消すことができるものなのでしょうか?

 人間は誰でもミスをする可能性があります。自分の本意とは異なる発言をしてしまった時に、それを撤回するという行為は、一般論として認められることといってよいでしょう。ただ政治家や国営放送のトップは完全に公人ということになります。しかも外交問題に発展する可能性のある発言を行ったということになると、発言を撤回したからといって、その事実をなかったことにするというのは、現実的に難しいでしょう。

 2010年にドイツのホルスト・ケーラー大統領が「ドイツの国益のためにはアフガニスタンへの軍事介入も必要」と発言し辞任に追い込まれたことがあります。ドイツの大統領は象徴的な存在で政治的発言はタブーとされていることもあり、批判をかわすことができませんでした。

 またヒラリー・クリントン氏が民主党の大統領候補者の指名選挙に出馬した際、ライバルのオバマ現大統領が暗殺されることをイメージさせる発言を行い批判されたことがありました。最近では現職のバイデン米副大統領が、韓国の朴槿恵大統領との会談で「他の国(中国)に賭けるような行為はよくない」という趣旨の発言をして問題視されています。これらのケースでは発言そのものを撤回するのではなく、発言内容が誤解されたのは「遺憾」であるという形で処理しています。

 日本でも2000年に当時の森喜朗首相が「日本は神の国」と発言し批判されたことがありました。森氏は「誤解を受けたことについてはおわびするが、発言は取り消さない」としました。森氏は発言そのものに対して責任を取る必要はありませんでしたが、結果的に支持率を落として解散に追い込まれています。

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最終更新:2015/3/7(土) 4:36
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