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橋下氏「出直し市長選」で大阪都構想は進むの? /早稲田塾講師 坂東太郎のよくわかる時事用語

2014/2/20(木) 14:20配信

THE PAGE

 橋下徹・大阪市長が、自ら唱える「大阪都構想」の是非を問いたいと市議会に辞職届を提出しました。議会は同意しませんでしたが、法の定めで橋下氏は27日に自動失職。市長選は3月23日に投票が行われます。この「出直し市長選」での勝利を持って橋下氏は都構想の信認を市民から得たと訴えたいようです。

【図解】「大阪都構想」の狙いは何?

首長と議会が対等な「二元代表制」

 橋下氏は大阪府知事だった2010年1月に都構想を唱え始めました。当初は大阪市と堺市を解体して東京23区のような特別区にするといった内容でした。大阪市と堺市は政令指定都市といって府が行う事務を多く独自に扱えるなど府と同格の権限を認められた行政区画です。橋下氏はその結果、市と府が同じような事業をするなど「二重行政」が目立ち税金の無駄として市を解体して大阪市だけで5~7の特別区に再編し、「大阪都」は今の大阪府全般の広域行政を一手に担い、特別区は普通の市と同じく小中学校を設けるなど身近なサービスに徹するというアイデアを「構想」しました。

 ところで都道府県知事や市町村長および東京23特別区長(「首長」と総称します)は住民の直接選挙で選ばれます。都道府県議会、市町村議会および東京23特別区議会議員も同じ。つまり首長と議員の両方が直接選挙で選ばれている「二元代表」で、首相が国会(議会)議員の選挙で選ばれる国の代表制(議院内閣制)とは異なります。「二元」のどちらが強いというわけではなく相互が抑制して地方自治を進めるのが制度の目標です。

 首長は予算の提出権や条例案などの議案を議会へ提出でき、議会はその議決権を持つのです。なお条例とは国会が定める法律の解釈範囲内で地方独自に定められる「ご当所法」といえましょう。議会そのものも議案を出せますが、現状では首長側が数の上で圧倒しています。

「都構想法」成立で具体的議論スタート

 橋下氏は都構想を実現化させるため自ら党首を務める地域政党「大阪維新の会」を立ち上げ、順に「攻略」をはかります。2011年4月の地方選で「維新」は府議会で過半数、大阪市議会で第一党に。2011年11月の「ダブル選」で府知事候補に維新の仲間を立て、自らは大阪市長選に立候補して勝利したのです。

 ただこの時点で条例ではどうにもならない法律の壁がありました。いくら陣取り合戦に勝っても中央の「法」が特別区を東京都だけしか認めていない現状ではどうにもなりません。国会議員の多数も飛ぶ鳥落とす勢いの橋下「維新」に共感し、2012年8月、それを可能にする「大都市地域特別区設置法」(大阪都構想法)を可決成立させました。

 総人口が200万人以上の地域(隣接自治体も含む)で、(1)特別区設置協議会の設置と協議書の作成、(2)協議書の議会での承認、(3)住民投票での過半数、があれば特別区ができるようになったのです。この決まりにのっとって、都構想の具体的な制度設計を決める法定協議会(法定協)が2013年に発足します。

 ところが2013年になり、橋下氏の影響力を削ぐような現象が出てきました。5月の「慰安婦」発言で多くの批判を浴び、9月の堺市長選挙では都構想反対を唱える現職に敗北、都構想から堺市が外れました。

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最終更新:2016/1/23(土) 4:37
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