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再生可能エネルギーは原子力の代わりになれる?

2014/2/21(金) 16:15配信

THE PAGE

東日本大震災で原発が大事故を起こして以降、再生可能エネルギーに対する期待が高まっています。住宅用の太陽光発電の設置が進み、メガソーラーも各地で立ち上がり始めました。原子力発電への依存度を下げるために、再生可能エネルギーはどれくらいの力を持ち、どのような役割を担えるのでしょうか?

ニュースでよく見る「ベース電源」とは?

原子力発電所1基は、大きいものでだいたい120万キロワット前後の出力を持っています。再生可能エネルギーを使った発電所に同じ出力を持たせようとした場合、かなりの規模が必要になります。

たとえば住宅用の太陽光発電の場合、原発1基をまかなうために、175万戸に設置する必要があります。これは東京都の戸建て住宅ほぼすべてに相当する規模です。大規模な太陽光発電所であるメガソーラーはどうでしょう? 5800か所が必要となります。陸上風力発電所の場合は2100基、地熱発電所なら35地点といった具合です。

では、たくさん作れば原発の代わりになれるのか? というとそうではありません。太陽光発電は、日中の暑い日に足りない電気を補う力になってくれそうですが、夜間の発電ができません。風力発電所は夜間でも発電できますが、風がないと電気を生めません。日本中のすべての電気が太陽光と風力で作られていたとしたら、みんなに電気が行き渡らないケースが出てきかねません。そうならないように、常に電気を安定的に一定量を供給する火力や原子力の発電所があるのです。これらは「ベース電源」と呼ばれています。

「日中の電力を補ってくれる発電所」「安定的に電力を送る発電所」といったように、発電所にはそれぞれの役割があります。太陽光や風力は、安定供給ができないため、原子力や火力のような「ベース電源」にはなれません。メガソーラーが建設されると「原発何基分に相当する規模」などと比較されることがありますが、太陽光と原子力では発電所の役割が違うため、電力規模だけでは単純に比較・代替できないというところに注意が必要です。

では、ベース電源の役割を担える再生可能エネルギーはあるのでしょうか? 再生可能エネルギーのなかで、ベース電源としての役割を果たせる発電に地熱があります。1基で国内最大の出力を持つ地熱発電は福島県の柳津西山(やないづにしやま)地熱発電所にあり、6万5000キロワットです。120万キロワットの原発には及ばないものの、同規模の発電所の開発が進めば、ベース電源の主要な一翼を担えるかもしれません。

それから川が流れる力を利用した「小水力発電」は小さな発電所ですが、川は流れを止めることがありません。200キロワット級前後の規模なら7000か所で原発1基分の出力に相当します。これも数がものを言いそうです。

つまり、すべての再生可能エネルギーがいますぐ原子力にとって代われるかというと、「規模と役割の面で難しい」というのが実情です。しかし、再生可能エネルギーは、小規模であるがゆえに電源を分散することが容易で、いざというときの備えになりますし、地域の人たちが自分たちの手で持続可能な地域を作り続けていく「エネルギーの地産地消」を実現するという重要な役割があるのです。

最終更新:2016/2/18(木) 2:56
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