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資源開発のラスト・フロンティア ── 北極をめぐるアメリカの戦略は?

2014/2/23(日) 14:00配信

THE PAGE

豊富な天然資源が眠っていると期待される北極の開発を各国が虎視眈々と狙っています。米国務省は、北極地域特別代表という新しいポジションを創設する方針を発表し、北極における資源開発などを重要視していく姿勢を打ち出しました。「北極大使」を創設するほどアメリカがこの地域にこだわる理由。それは温暖化と少なからず関係があるようです。

オバマ政権は昨年5月に北極圏政策を発表

昨年5月にオバマ政権が発表した「北極圏国家戦略」では、環境保護よりも開発に関するビジョンが示され、話題を呼びました。北極を石油や天然ガス、鉱物などが大量埋蔵されている資源の宝庫と位置付け、アメリカは北極開発に興味を示す関係国と連携しながら、本格的な開発に着手する見通しです。

アメリカは2015年に北極評議会の議長国を務めることが決定しており、その前に北極大使を創設し、北極開発政策によりコミットしたいとアメリカ側の思惑もうかがえます。北極評議会(AC)は現在、8か国で構成されており、アメリカ以外の加盟国はカナダ、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシアで、北極圏諸国に居住するイヌイットら先住民の6団体も決定権を持たない常時参加者として、各種会議に参加しています。

日本政府も北極圏における資源開発などで影響力を強めていく目的で昨年春に北極担当大使を新設していますが、日本はオブザーバーとしての資格を付与されています。地理的に北極圏と接していないものの、北極圏の環境保護や資源開発に興味を示す国に対してはオブザーバーとしての資格が与えられる場合があります。会合での発言や文書による意見提出も可能ですが、北極圏政策に直接関わることはできません。オブザーバー国は日本を含めると12か国で、中国やインド、フランスに英国といった名前もあります。

2020年以降に北極における資源開発がエスカレートする可能性

北極圏で天然資源が眠るとされる場所は氷や雪で覆われており、すぐに資源開発に着手できるという状態ではありません。しかし、周辺の気温が徐々に上昇しているため、海氷量が減少しているのも事実です。グリーンランドとノルウェーのスヴァールバル諸島の間に位置するフラム海峡では、100年前と比べて平均気温が4度近く上昇しており、北極圏の他の地域でも気温の上昇が確認されています。2020年から2050年の間に、北極海の大部分で海氷が無くなるだろうと予測する研究者も少なくなく、仮にそうなった場合、この地域での天然資源の採掘が技術的に可能となります。アメリカ地質研究所の発表によると、全世界の未発見かつ採掘可能な石油と天然ガスの約25パーセントが北極圏にあり、各国が資源開発に興味を示す大きな理由となっています。

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最終更新:2016/1/24(日) 4:24
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