ここから本文です

有期雇用、無期転換期間が10年に延長されると何か良いことある?

2014/2/24(月) 11:12配信

THE PAGE

 厚生労働省はこのほど、非正規労働者など働く期間が限定されている「有期雇用」の労働者について、正社員への転換が必要となる期間を5年から最長で10年に伸ばす方針を固めました。これは労働者にとってどんなメリットがあるのでしょうか?

 一昨年までの法制度では、会社が認めない限り契約社員が正社員になることはできませんでした。しかし昨年の法改正によって、企業が有期雇用の労働者を5年間同じ職場で雇った場合には、本人が希望すれば無期雇用に転換することを義務付けました。今回打ち出された新しい制度では、これを最長で10年まで延長できるということになります。

 もともとこの改革案は、昨年、産業競争力会議における規制緩和プランの一つとして、国家戦略特区における具体策として浮上してきたものです。しかし全国一律の適用を求める厚生労働省の意向もあり、今回の法整備につながりました。

 企業側は正社員を雇ってしまうと簡単に解雇ではできませんから、できるだけ契約社員を雇いたいと考えています。このため正社員への転換義務が生じる5年という期間が近づくと一斉に契約社員が解雇されてしまうという状況が発生していました。

 新しい制度では、5年から10年に期間が延長されることになりますから、企業側は契約の労働者をもう少し余裕を持って雇うことができるようになります。また労働者側のメリットとしては、これまで5年という縛りがあるために企業側が採用を躊躇していた仕事にも門戸が広がる可能性が出てくるというわけです。政府は、現行法では5年の縛りで実施が困難だった、東京オリンピック(6年後に開催)に関するプロジェクトでも有期雇用で働くことができるとしています。

 しかし現行法でも、プロジェクトの完了時期が明確に定まっているケースの場合、5年を超える有期契約も可能であったことから、制度改正で一気に雇用の門戸が広がるのかというとそうでもなさそうです。しかも10年までの延長ができる職種としては、現在のところ会計士、医師、弁護士など、比較的高い技能が必要で、かつ報酬が高い人たちが想定されています。

 このような労働者が最長10年までの延長が可能になったとしても、労働市場全体への影響は大きくないと考えた方がよいでしょう。また10年に延長になったとはいえ、契約社員の立場が不安定であることに変わりはありません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/3/14(土) 4:33
THE PAGE