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ウクライナ問題のカギを握る天然ガス戦争、勝者はロシアかアメリカか?

2014/3/11(火) 12:00配信

THE PAGE

 緊張が続くクリミア半島問題において天然ガスが今後の行方を左右するカギになってきました。天然ガスの供給をめぐって米国とロシアの駆け引きが活発になってきています。

 そもそもロシアがクリミア半島にこだわっているのは、黒海艦隊の基地が存在しているからです。ロシアは地理的条件が悪く、冬でも問題なく運用できる港をあまり持っていません。このため海軍力において米国と決定的な差を付けられています。黒海は地中海とつながっているため、ロシアにとっては何としても影響力を行使したいエリアなのですが、ロシア領内の黒海沿岸はあまり条件がよくありません。良質な港を持つクリミア半島はロシアにとって極めて重要な場所といえます。

 ロシアはウクライナに対して軍事的圧力を加えると同時に、天然ガスの供給制限を示唆し、経済的な圧力もかけています。ウクライナはエネルギー資源がほとんどなく、そのほとんどをロシアからの天然ガスに依存していますから、ロシアが天然ガスの供給を止めてしまうと、ウクライナ経済は立ち行かなくなってしまいます。

 しかもロシアの天然ガスはウクライナだけに供給されているわけではありません。ドイツをはじめとする欧州各国にもロシアから天然ガスが大量に輸出されているのです。欧州の天然ガス需要の4分の1から3分の1はロシアが供給しているといわれており、ロシアがこの供給を制限してしまうと、欧州経済は窮地に陥ります。このようにロシアは天然ガスを武器に強気の交渉をしているわけです。

 しかし天然ガスを握るロシアが一方的に有利かというそうでもありません。ロシアのGDPは約200兆円程度しかなく、米国の7分の1、EUの6分の1という水準です。ロシアは無理して軍事大国になっていますが、経済的にはかなり貧しく、むしろ弱小国といえます。目立った産業もなく、天然ガスの輸出が重要な外貨獲得源となっているというのが実情なのです。

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最終更新:2015/10/8(木) 4:07
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