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あなたの年金どうなる? 賭けに出た年金運用

2014/3/12(水) 12:00配信

THE PAGE

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、世界銀行と共同で途上国のインフラ投資などに乗り出す方針であると報道されました。途上国のインフラ投資は、比較的高い利回りが期待できる投資案件ですが、同時にリスクも大きくなります。年金の運用はこれからどのように変わろうとしているのでしょうか?

日本の最低賃金、国際的には高い?低い?

 日本の公的年金はこれまで安全第一という観点から国債を中心に運用を実施してきました。しかし、日本経済は長期のデフレからインフレに転換しつあり、国債の運用に偏った現在の体制では金利が上昇した場合には損失が発生する可能性も出てきました。専門家の中からは、ポートフォリオ(運用対象の組み合わせ)の見直しが必要との声が高まってきており、昨年から有識者会議などにおいて具体的な方法についての議論が進められてきました。11月に提出された報告書では、債券の比率を下げ、株式、不動産投資信託(REIT)、海外インフラ投資などの比率を上げることが提言されています。

 政府が運用方針の見直しを実施する背景には、もっと切実な事情もあります。現在、GPIFの資産は120兆円ほどあるのですが、年金の徴収額よりも給付額の方が大きく、運用資金は毎年3兆円から4兆円ずつ減少している状況です。何もしないと、単純計算であと30年から40年で運用原資が底をついてしまうのです。多少リスクが高くても、利回りのよい商品に投資しなければ年金が維持できない可能性があるわけです。途上国のインフラ投資は、こうしたポートフォリオ見直しの一環として行われるものです。

 ただこのようなリスクが高い商品への投資を行うことについては慎重に検討すべきという声もあります。海外の公共インフラ投資は、投資した国がなくならない限りは安定した利回りが期待できる魅力的な案件といえます。日本の国債などに比べればはるかに高い利回りを確保することも可能です。しかし、こうしたインフラ投資は、一般的な金融商品への投資と比べると換金性が低く、年金運用の機動性が減少するというリスクがあります。また確率が低いとはいえ、政変などで投資したプロジェクトそのものが中止になってしまうリスクもゼロではありません。

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最終更新:2015/3/17(火) 4:00
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