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<ラグビー>戦術“エリアマネジメント”は再び定着するか

2014/3/13(木) 12:00配信

THE PAGE

陣取りゲームを制したパナソニックが王座に

 ラグビーは陣取りゲームだ。2013年度、日本最高峰のトップリーグと日本選手権をいずれも制したパナソニックは、この原理を思い起こさせた。オーストラリア代表51キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のスタンドオフ、ベリック・バーンズのキックが巧みな試合運びを可能にしたからだ。ともすれば、以前流行した「エリアマネジメント」という言葉が復権するかもしれない。

 得点のチャンスと失点のリスクを減らすには、できるだけ敵の陣地でプレーしたい。それはどの球技も同じだろう。ましてや、ラグビーでは、重い反則は相手へのペナルティーキックを与える。この権利を得たチームは、タッチラインの外にボールを蹴り出して攻撃したり、権利を得た地点からペナルティーゴールを蹴ったりできる。攻撃がトライに繋がれば5点、その後のコンバージョンゴール成功は2点、ペナルティーゴール成功は3点。敵陣にいればいるほど、相手の反則による得点チャンスが増えるのだ。

 だからこそ「ラグビーは陣取り合戦」との文脈が成立する。また前にパスができない競技特性から、長いキックを蹴る選手が重宝されるわけだ。

 2003年のW杯オーストラリア大会を制したイングランド代表は、司令塔のスタンドオフとしてジョニー・ウィルキンソンが躍動。精度の高いキックで力強い選手たちを常に前進させ、高いゴール成功率で接戦を制してきた。

 日本最高峰のトップリーグでは、元ニュージーランド代表スタンドオフのトニー・ブラウンが、三洋電機(現パナソニック)で好キッカーとして躍動した。鋭いキックで敵陣に進入し、運動量の豊富なバックスラインが守備網を形成。球を奪えばウイング北川智規が止めを刺した。2007年度から3季連続で日本選手権を制覇、2010年度はトップリーグで初優勝を成し遂げた。

 キックで陣地を取るゲーム運びの総称としてか、いつしか国内ラグビー界では「エリアマネジメント」という単語が流行るようになった。元ニュージーランド代表のジョン・カーワンヘッドコーチは「ジャパンオリジナル」「4H(速く、低く、激しく、走り勝つ)」などの標語を掲げつつも、結局は長いキックを蹴る外国人スタンドオフを起用していた。「エリアマネジメント」ができるから、と。

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最終更新:2016/2/25(木) 4:51
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