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全人代閉幕 李克強の演説から読み取る中国の今後

2014/3/13(木) 12:00配信

THE PAGE

 中国の北京で開催されていた全人代(全国人民代表大会)が3月13日、9日間の日程を終えて閉幕しました。全人代では何が話し会われたのでしょうか?

 全人代は、中国政府における今後1年間の主要政策を議論する重要な会議です。毎年1回開催され、全国の省や軍の代表およそ3000人が出席します。中国は共産党が独裁的に支配する国ですが、全人代は党ではなく政府の会議です。したがって、少数ではありますが非共産党員の代表者も会議に参加しています。

 会議では冒頭に李克強首相が「政府活動報告」を行い、中国の経済政策や外交政策について説明を行いました。李氏は中国共産党のナンバー2で、政府の役職としては習近平国家主席に次ぐ地位にあります。首相として国の政策全般を統括していますが、特に経済政策に関する司令塔と呼ばれています。中国経済はソフトランディングするのかハードランディングしてしまうのかの瀬戸際にありますが、すべては李氏の肩にかかっているわけです。

 李氏は、今年の中国における実質成長率目標を昨年と同じ7.5%とし、安定成長を保つ姿勢を明確にしました。中国経済の実力はもう少し低いというのが市場の大方の見方ですが、景気後退が顕著になっていることから、あえて強めの数字を打ち出したものと考えられます。

 中国はこれまで鉄道建設など過剰なインフラ投資で無理な経済成長を実現してきましたが、その歪みが各方面で表面化しています。シャードーバンキング(影の銀行)と呼ばれる過剰融資はその典型です。中国は経済の体質転換を図ろうとしていますが、無理に改革を行うと目先の成長を阻害してしまうというジレンマに陥っています。中国経済がクラッシュする確率はかなり低くなったといわれていますが、今度は長期的に経済が低迷するリスクにさらされているわけです。

 外交については、日本の動きを強く牽制する発言が目立ちました。李氏は「国家の主権を断固として守り、中国の海外での権益を確保する」と述べ、南シナ海や東シナ海での海上権益を死守する方針を明確にしました。また「戦後の国際秩序を守る必要があり、歴史の逆行は決して許さない」と指摘し、名指しこそしなかったものの、日本の歴史認識問題について強く批判しました。

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最終更新:2015/8/19(水) 4:28
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