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19日上場 ジャパンディスプレイってどんな会社?

2014/3/19(水) 6:00配信

THE PAGE

 スマホやタブレット向けの液晶パネルを手がけるジャパンディスプレイが2014年3月19日に東証一部に上場しました。今年最大規模の上場といわれていますが、同社はどのような会社なのでしょうか?

 同社は、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合して2012年4月に発足しました。政府系ファンドの産業革新機構がほとんどの株を持つ事実上の国営企業です。液晶パネルの事業は日本、韓国、台湾のメーカーがシェア争いをしていますが、韓国と台湾はメーカーの集約化が進み、価格競争力を強化していました。しかし日本は電機各社がそれぞれに小規模な事業を保有している状況で、韓国や台湾に遅れを取っていました。中小型液晶は大手電機メーカーにとってコア事業ではないため、十分な投資資金が確保できなかったという側面もあります。

 そこで政府系ファンドの産業革新機構が2000億円を出資し、各社の事業を統合して再スタートさせたのがジャパンディスプレイです。その後スマホ市場が急拡大したことから、主に米アップルのiPhone向けにパネルを供給する同社の売上げは拡大し、統合から約2年で上場する運びとなりました。

 産業革新機構は保有する株式の過半数を売却する予定なので2000億円の投資資金を回収することになります。残りは継続して保有しますが、こちらも公募価格ベースでは1200億円程度の価値がありますから、最終的には、政府が1200億円儲けたということになります。

 今回の政府による救済と再建はうまくいきましたが、政府が国民の税金を使って特定事業の救済やリストラを行うことについてはいろいろと問題も指摘されています。

 今回、政府がこの事業に出資したことで1200億円の利益を得たということは、民間のリスクマネーでも同じことが実現できたことを意味しています。しかし日本経済は完全に制度疲労を起こしており、この事業に出資する企業やファンドは存在しなかったというのが現実です。つまり根本的な問題は、リスクに積極的に挑む精神が民間になくなっていることにあると考えられます。しかし、ここで政府が安易に出資をして再建の手伝いをしてしまうと、民間はさらに政府のお金に甘えることになります。本来政府が担うべき役割は、直接税金を投入して救済することではなく、民間が積極的にリスクを取りにいくための環境整備を行うことにあるはずです。

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最終更新:2015/10/17(土) 4:53
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