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日本の国力回復なるか? 羽田空港の国際線発着枠拡大の意義

2014/3/28(金) 12:00配信

THE PAGE

 羽田空港の国際線発着枠が3月30日から拡大されます。これにはどのような意義があるのでしょうか?

 首都圏の国際空港はもともと羽田空港でしたが、1978年に成田空港が開港して以降は、国内線は羽田、国際線は成田という役割分担が実施されてきました。

 この流れが変わるきっかけとなったのは、2009年10月の前原国土交通大臣(当時)による羽田ハブ空港化構想です。ハブ空港とは航空路線ネットワークの中心となる空港のことを指しているのですが、羽田のハブ空港化構想とは、羽田空港をアジアの航空路線ネットワークの中心的存在にしようというものです。

 この構想が出てきた背景には日本の国力低下があります。日本の経済的地位が高かった時代には、黙っていても多くの外国人がビジネス目的で来日し、海外の航空会社はこぞって日本便を就航させようとしました。しかしここ20年におけるアジア各国の躍進に伴い、日本の国際的地位は大きく低下しました。日本は韓国などと同様、インフラを綺麗に整備して外国から顧客を呼び寄せなければならない立場になってしまったわけです。

 韓国やシンガポールといった新興国は、空港の整備に巨額の投資を行い、国際線の積極的な誘致を実施。この結果、ソウルの仁川空港やシンガポールのチャンギ空港はアジア最大の拠点空港といわれるまでに成長しました。韓国の国際線発着枠はすでに日本に匹敵する規模なのですが、韓国の経済規模が日本のわずか5分の1しかないことを考えるとこれは驚異的な水準といってよいでしょう。

 成田よりも圧倒的に利便性の高い羽田空港の発着枠を積極的に増やすことで、低下してきた日本の国際競争力を回復させようというのが、一連の取り組みの狙いです。

 羽田空港の国際線発着枠はこれまで年6万回、成田空港は年27万回で、合計すると年33万回でした。3月30日以降は、羽田の発着枠が3万回分増えて年9万回となります。成田も2014年度中には3万回分の増加が見込まれていますから、合計で6万回分の発着枠が増えることになります。羽田の増加分3万回分は1日の便数に直すと約40便となり、今回、航空会社に発着枠が提供されるのはこのうち31便となります。

 今回、羽田で拡大されるのは昼間の発着枠ですから、主にアジア方面の便が中心となります。また、これまで深夜、早朝に出発していた欧州便の一部についても、昼間の時間帯での増便が予定されています。日本はアジアとの行き来が多いですから、発着枠拡大はアジア方面の旅行客の利便性向上につながるでしょう。

 もっとも、東京オリンピックが2020年に開催されることを考えると、両空港を合わせた発着枠はまだ足りないといわれています。政府与党内では滑走路の増設や飛行経路の変更といった具体策の検討に入っています。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/13(水) 4:32
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