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三陸鉄道が6日全線復旧へ 被災地の思い背負い「再出発」

2014/4/4(金) 14:10配信

THE PAGE

「あまちゃん効果は絶大でした」
 地方自治体職員をはじめ三陸鉄道社員、商工会議所や商店の店主など、口を揃えて、その効果を絶賛します。昨年、NHK連続テレビ小説で世間を席巻した『あまちゃん』は、三陸鉄道沿線が舞台です。圧倒的な人気は、ドラマのロケ地にも影響を及ぼしました。東日本大震災で被災し、一部の区間を運休していた三陸鉄道にも観光客が押し寄せ、その効果は被災した沿線の観光地にも及びました。その三陸鉄道が全線復旧します。東日本大震災から3年あまり、南リアス線が5日に、北リアス線が6日に運転を再開するのです。

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震災直後も「地域の足」守る

 震災で大きな打撃を受けた三陸鉄道は、総延長107.6キロメートル。線路の総延長だけを見れば決して小さな鉄道会社ではありません。しかし沿線には人口の多い都市がないため、東京圏や大阪圏のような混雑とは無縁なのです。2008年度、三陸鉄道の営業係数は143.8でした。営業係数とは「鉄道会社が100円の収入を得るためにどのぐらいの費用をかけているか」を数値で表したものです。100を切れば黒字、100を超えれば赤字ということになります。

 営業係数だけを見れば、三陸鉄道は走れば走るほど赤字になる路線です。それでも、三陸鉄道は震災から5日後の3月16日から一部区間で運転を再開させています。さらに、3月中は復興支援列車として、運賃を無料にして運行していました。まだ、震災の恐怖が取り巻く中で、地域の足を守るという使命感が三陸鉄道を奮いたたせたのです。

JR山田線、大船渡線は復旧めど立たず

 震災復興が進むにつれて、三陸鉄道の運行区間は拡大。そして、ついに全線開通の4月5、6日が迫ってきました。「全線復旧後は、これまでよりも多くの列車本数が運行されるようになります」(三陸鉄道)。地元からも「運転本数が増えることで、便利になるし、地域も活気づく」と、全線復旧に期待が高まっています。

 めでたく全線復旧を迎える三陸鉄道ですが、素直に喜べない事情もあります。三陸鉄道と同じく、JR山田線や大船渡線も津波で線路や駅舎が流出しました。JR山田線は被害が軽微だった盛岡~宮古間の運行を2011年3月26日から再開しましたが、宮古~釜石間はいまだ復旧のメドが立っていません。宮古~釜石間は、三陸鉄道の北リアス線と南リアス線とを結んでいる線路です。山田線の宮古~釜石間は三陸鉄道にとっても重要な路線なのです。

 そうした課題は残していますが、三陸鉄道の全線復旧は被災地に希望をともす喜ばしいニュースです。

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最終更新:2016/2/10(水) 4:31
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