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ニュースでよく見る「世界銀行」って何?

2014/4/5(土) 17:00配信

THE PAGE

 ロシアによるウクライナ介入問題で、世界銀行は、このままロシアと西側の対立が長引けばロシアの経済成長率がマイナスに陥る可能性があることを示唆しました。

 世界銀行の名前は時々ニュースで耳にしますが、この機関は何をやっていて、国際社会にどのような影響力を持っているのでしょうか?

 世界銀行は、第二次大戦後の先進国の復興と発展途上国の開発を目的として1944年に設立されました。当初は国際復興開発銀行のことを指していましたが、現在では同行を中心とした5つの機関を総称して世界銀行と呼んでいます。業務内容も、戦後復興は終了していますので、現在では主に途上国開発に重点が移っています。同じ時期に設立された兄弟機関としてIMF(国際通貨基金)がありますが、こちらは為替の安定や国際貿易の推進などが主な業務となっています。

 世界銀行は途上国開発が主な役割ですから、まだ経済が未成熟なウクライナに対して4000億円近い融資を行っています。2014年にはウクライナ政府の要請を受け、さらに3000億円を追加で提供する予定です。しかし、ロシアがウクライナに介入し国内が分裂状態になってしまったことから、これまでウクライナに対して支援した融資が焦げ付く危険性が出てきました。ウクライナ経済はロシア経済との関係が深いですから、西側諸国の制裁によってロシア経済が苦境に立たされると、ウクライナも窮地に陥るという矛盾を抱えています。世界銀行はウクライナに対する巨額の債権者ですから、現在の状況に対して懸念を表明したというわけです。

 ウクライナは世界銀行の融資先のごく一部でしかなく、世界銀行は世界各地の途上国に同じような融資を行っています。融資する国の中には市場メカニズムがまだ整っていない国や、金融システムが未成熟な国もあります。世界銀行は、こうした国々に対して、融資と引き換えに経済・金融システムの改革を要請することがあり、一部からはグローバル主義経済の押し付けであるとして批判されています。しかし世界銀行とIMFの存在が、世界の金融システムや経済システムの安定化に寄与してきたことも事実であり、その役割は今でも重要といってよいでしょう。

 日本経済はアジアとの結び付きが極めて強いのですが、アジア各国の中には、まだ十分な経済・金融システムが整備されていないところもあります。こうした国々の開発において世界銀行は欠かせない存在といえます。1997年に韓国が金融危機を起こしIMFの支援を受けたことがありましたが、アジアの国々が経済危機・金融危機を起こした際、もっとも大きな影響を受けるのは日本ということになります。世界銀行やIMFは日本にとっても非常に重要な存在といえるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/8/1(土) 4:43
THE PAGE