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エネルギー基本計画閣議決定、原発再稼動の裏で再生可能エネルギーが急浮上

2014/4/11(金) 13:37配信

THE PAGE

 国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」が11日、閣議決定されました。焦点となっていた原発は、重要なベースロード電源と位置付けられ、再稼働が正式に決定されることになります。

 エネルギー基本計画については、2月に政府案がまとまり、与党内での調整が続いていましたが、自民党は8日の総務会においてこれを了承しました。11日の閣議決定は与党内での了承を受けてのものです。

 計画の中で、原発については「重要なベースロード電源」と位置付け、再稼働を進める方針が明確になりました。これによって原発ゼロ政策は、正式に白紙に戻されることになります。

 一方、今回の基本計画において注目を集めていたのが、再生可能エネルギーの扱いです。公明党は再生可能エネルギーの数値目標設定を強く求めてきましたが、自民・公明の協議の中で数値目標は設定しないことで決着しました。しかし、2030年に全体の2割という数字は参考値として盛り込まれることになり、それ以上の水準を目指すということで最終決定しました。再生可能エネルギーは政府の補助がなければ事業として成立しませんから、目標値ではないものの、数値が盛り込またことで、さらに普及が進む可能性が高くなってきたといえるでしょう。

 もっとも、火力、水力、原子力、再生可能エネルギーのシェアがどのようになるのかは現時点では分かりません。基本計画では、水力や石炭火力についても重要なベースロード電源と位置付けられています。原子力偏重のイメージを薄めることが目的と思われますが、どのエネルギー源を中心に据えるのか今ひとつはっきりしない表現となっています。

 ちなみに原子力政策のもうひとつの焦点であった核燃料サイクルについても、基本的に従来路線の継続となりました。日本は原発からでる放射性廃棄物を再処理し、燃料として再利用する核燃料サイクルの実現を掲げています。しかし、その中核となる高速増殖炉「もんじゅ」はトラブルが続いており、運転停止に追い込まれています。計画には「もんじゅ」について、放射性廃棄物を減らすための研究機関として当面活用を続けることが明記されました。また再処理で取り出したプルトニウムを既存の軽水炉で燃やすプルサーマル計画についても、従来通りとしています。高速炉等の研究開発に取り組むとの文言も記載されており、基本的には従来の原子力政策がほぼすべて踏襲されていることが分かります。

 原発を再稼働させるといっても、審査基準は以前より厳しくなっているので、すべての原発をただちに再稼働できるわけではありません。しかしエネルギー計画で明記された以上、順次、再稼働が進んでいく可能性は高くなったといってよいでしょう。最終的には再稼働が進む原発のシェアと、普及のための参考値が示された再生可能エネルギーのシェアが徐々に上がっていくことになるでしょう。

(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2015/4/17(金) 3:53
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