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G20でウクライナ情勢が議論に 世界経済にどんな影響がある?

2014/4/12(土) 14:00配信

THE PAGE

 米国ワシントンで開催された20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)では、ウクライナ情勢が議題に上りました。ウクライナ情勢は今後、世界経済にどのような影響を与えるのでしょうか?

 表面的にはウクライナ問題の発生によって、ロシアと欧米各国の対立が激化しているように見えますが、欧米各国は、これ以上の対立は望んでいません。今回のG20では、こうした各国のホンネがかなりはっきりした形になりました。ロシアが参加国の一員ということもあり、全体的なトーンは抑制的で、共同声明も「地政学的リスクの懸念を共有する」という内容にとどまっています。ウクライナに対する支援という点では一致していますが、各国ともロシアに対しては、これ以上圧力を加えない方が得策と考えているわけです。

 しかしウクライナ問題は、欧州を中心に世界経済に対して着実に影響を及ぼしつつあります。米国と欧州がロシアに対して部分的な経済制裁を開始したことから、ロシアでは債券の格付けが低下し、金利が上昇しています。ロシアは2011年までは4%台の経済成長を実現していましたが、2012年から経済が失速し2013年は1.5%成長にまで落ち込んでいます。この状態での金利上昇ですから、一部では2014年におけるロシアの成長率はマイナスに転じるとの見方も出てきています。

 ロシアのGDPは約200兆円程度しかなく、米国の7分の1、EUの6分の1しかありません。ロシア一国の景気低迷が、直接世界経済に影響を与えるわけではありません。ウクライナのGDPはさらに小さく、日本の鳥取県ほどの規模です。しかし、ロシアの景気低迷が長引けば、経済的にロシアに依存してきた周辺国の景気にも悪影響となり、最終的には欧州にもそれが波及してくる可能性があります。

 欧州はドイツなどの高成長の国を除けば、低インフレ率と失業率の高止まりに悩まされています。ウクライナ問題が長引くことによって、欧州経済の停滞がさらに進む可能性は高まってきたといえるでしょう。

 オバマ大統領はウクライナ問題への介入に消極的と言われますが、議会の一部などは、より強硬な姿勢を取るようオバマ政権に圧力をかけています。もしオバマ政権がさらに強硬な制裁に踏み切った場合、欧州もそれに追随する可能性が高く、そうなってくると、ロシアの景気低迷はさらに深刻になる可能性があります。
 
(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/2/15(日) 4:29
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