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国民投票法の改正案を衆議院に提出、これは何を意味する?

2014/4/13(日) 9:00配信

THE PAGE

 自民党や民主党など与野党7党は8日、憲法改正の手続きを定めた「日本国憲法の改正手続に関する法律」(国民投票法)の改正案を衆議院に提出しました。国会での議論が始まったわけですが、これは何を意味しているのでしょうか?

 日本国憲法では第96条において、憲法を改正するには「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない」と定めています。つまり国会の決議に加えて、国民投票が必要と規定しているわけです。

 しかし日本国憲法は硬性憲法(改正の手続きが厳密な憲法)といわれ、改正されることがほとんど想定されていませんでしたから、国民投票に関する法律が存在していないという状況でした。このままの状態では、国会での決議があっても憲法を改正できないため、これを整備しようという目的で作られたのが国民投票法です。つまりこの法律が審議され始めたということは、憲法改正に向けての具体的な手続きが進み始めたことを意味しています。

 この法律は実は2010年から施行されており、現行法では18歳以上の国民が投票権を有するとされています。しかし公職選挙法で定める選挙権は20歳以上となっていますから、同法では付則という形で、選挙権が18歳以上に引き下げられない場合には、対象を20歳以上とする条件がついています。しかし公職選挙法はいまだに改正されていませんから、実質的に現行法が機能していない状況になっています。

 今回の改正案ではこの付則が廃止となり、法律の施行当初は20歳以上、施行から4年後は18歳以上となっています。つまり4年後には自動的に18歳以上が国民投票の対象となる仕組みです。逆に考えれば、これは公職選挙法などを改正し、選挙権を18歳以上にすることを間接的に促している法律と解釈することもできるでしょう。

 年齢引き下げの議論が行われた背景には、単純に若い人にも門戸を開くべきかどうかという問題だけではなく、20歳未満の人を対象にした場合、どの政党が有利になるのかという党利党略も絡んでいます。同様にこの改正案では、これまで政治活動が禁止されていた公務員に対しても憲法改正の賛否表明を認める内容が盛り込まれています。これについても、公務員を票田と考える政党にとっては重要な駆け引きの材料です。政治活動を制限する内容を定めるのかについては今後の検討課題となりました。

 今回の改正案について反対しているのは、社民党と共産党だけですから、内容に細かい変更が加えられることがあっても、今国会中に可決・成立する可能性は極めて高いと考えられます。これからは、20歳未満の人にも政治的な意思表示をする機会が与えられることになります。ただ若年層の動員力で投票結果が大きく変わる可能性もあり、政党間の力関係という意味では、それなりに大きな変化があるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/11/26(木) 4:40
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