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外国人労働者活用で女性の社会進出が進むって本当?

2014/4/14(月) 18:00配信

THE PAGE

 家事や介護の分野に外国労働者を活用することで、女性の社会進出を進めるという政府の方針が注目を集めています。外国人労働者を増やせば、本当に女性の社会進出は増えるのでしょうか?

 日本では現在、約6500万人が働いています(失業中の人も含む)。その一方で4500万人は働いていない状態なのですが、このうち約7割が女性となっています。専業主婦の正確な統計はありませんが、いわゆる専業主婦と呼ばれる人は1000万人を超えていると考えられます。安倍政権は女性の社会進出を強く打ち出しているのですが、その背景には、このままでは労働力人口が激減し、年金や医療といった社会保障制度が維持できなくなるという危機感があります。日本の高齢化は急ピッチで進んでおり、出生率を多少上げたところで労働力人口の減少を食い止めることはできません。社会保障制度を維持するためには、働く意欲のある人全員が働ける環境が必要というわけです。

 働く男性の割合(厳密には労働力率)は世代を通じてほとんど変わりませんが、女性の場合には、結婚適齢期といわれる25歳以降で減少するという傾向が見られます。これは結婚や出産を期に仕事をやめる女性が多いことを示しています。働く女性の割合は、その後、再び上昇するのですが、正社員の割合が減り、非正規社員の割合が増えるという特徴が見られます。つまり、子育てが一段落して仕事に復帰した場合でも、パートなど非正規の形態になっていることが多いと想像されます。女性の労働力率のカーブがMの形に見えることから、これをM字カーブと呼ぶ人もいます。

 政府では、育児支援サービスや家事支援サービスがあれば、結婚や出産を期に仕事をやめたり、正社員から非正規社員に移る人の割合を減らせると考えています。適齢期以降の女性の労働力の減少分は580万人ほどですが、ここに該当する人が皆、仕事を継続したとすると、日本の労働力人口は10%ほど増加することになります。しかしこうしたサービスに従事する日本人は少ないと考えられるため、一定数を外国人に解放しようというわけです。

 もっとも子供を持つ女性が皆、このようなサービスを利用できるかどうかは分かりません。外国人労働者が従事するといっても、一定以上の賃金を確保しなければ人は集まりません。結果として、サービスの価格はそれなりの金額となり、ある程度、経済力のある層に利用は限定されてくるでしょう。

 政府はすでに、一時的ではなく恒久的に外国人労働者を受け入れる方針を固めつつあり、経済財政諮問会議などでは具体策の検討に入っています。女性活用を目的とした外国人労働者の受け入れも、実はこうした議論の中から出てきたものです。建設業や製造業、農業などの分野では、現在、深刻な人手不足となっていますが、人手不足の状況は半永久的に継続すると予想されています。女性活用のための外国人労働者受け入れというのは、むしろイメージ戦略の一つであり、政府や産業界のホンネは、建設や製造分野での外国人受け入れ拡大にあるのかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/1(木) 4:25
THE PAGE

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