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IPCCが温室効果ガスゼロを提言、そんなに減らせるの?

2014/4/17(木) 14:00配信

THE PAGE

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は13日、温室効果ガスの排出量を2050年の時点で最大で7割削減し、今世紀末までにゼロにする必要があるとの報告書を発表しました。排出量をゼロにするなど実現可能なのでしょうか?

 IPCCは、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)のもとで設立された組織で、ここでの研究成果はCOP(締約国会議:気候変動枠組条約の締約国で温室効果ガス排出削減策等を協議する会議)などで活用されています。

 今回の報告書では、温室効果ガスの排出について、現状のまま有効な対策を取らないと、今世紀末には地球の平均気温が3.7度から4.8度上昇するとしています。そうなった場合、穀物生産が大幅に減少し、種の絶滅など生態系に極めて大きな影響が出る可能性があります。

 こうした影響を防ぐためには、世界の平均気温の上昇を2度以内に抑えるという目標の達成が非常に重要となります。報告書では、温室効果ガスの排出量を2050年の時点で40%から70%削減したうえで、今世紀末にはほぼゼロにする必要があると指摘しています。

 具体的には、温室効果ガスをほとんど排出しない再生可能エネルギーの割合を増やす、石炭火力から天然ガス火力への転換を進める、インフラや都市の再開発への投資でエネルギー効率を高める、といった措置が考えられます。原子力もその選択肢のひとつとなりますが、報告書ではリスクがあるとの指摘もなされており位置付けは微妙です。これらの措置を行ったとしても温室効果ガスの排出量をゼロにはできませんから、最終的には温室効果ガスを回収する技術を普及させる必要が出てくるでしょう。

 報告書の数値はあくまで学術的なデータであり、これがそのままCOPなどにおいて勧告されるわけではありません。しかし、非常に高い目標を掲げた今回の報告書は今後の国際的な議論に大きな影響を与えそうです。

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最終更新:2015/7/18(土) 4:46
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