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ソニーは4Kテレビで復活できるのか?

2014/4/17(木) 18:00配信

THE PAGE

 ソニーは4月15日、4K表示に対応した液晶テレビ「BRAVIA」の新製品、合計8機種を発表しました。30万円程度のものから200万円程度のものまで幅広い価格帯をカバーしており、4K対応製品に力を入れていることがわかります。ソニーは4K対応テレビで復活できるのでしょうか?

 4K対応テレビは、現在のフルハイビジョンの4倍の解像度(横2倍、縦2倍)を持つ規格で、今年の7月から衛星放送で試験放送が始まります。ワールドカップを4Kテレビで見たいという顧客が増える可能性があることから、このタイミングでの大量投入が決まりました。

 最新の高精細画面を求めるユーザー層というのは常に一定数、存在しています。しかし一般的な視聴者にとって、現行のハイビジョンはすでに十分なレベルの画質です。多くの顧客が、このタイミングで一気に4Kテレビに乗り換えるとは少々考えにくい状況といってよいでしょう。また同社をはじめとする国内の電機メーカーは、韓国勢や中国勢からの攻勢を受け、薄型テレビの分野では不振が続いています。ソニーがなぜここまで4Kテレビにこだわるのか少し不思議な感じもします。

 その疑問を解くカギはやはり、画面の美しさにありそうです。従来のハイビジョン画像は確かに綺麗ですが、50型以上の超大型画面にするとやはり粗さが目立ちます。4Kの場合にはこうした超大型画面でもきめ細かい映像の表示が可能ですから、必然的に4Kテレビのラインナップは大画面の製品が中心となります。大画面になればなるほどコストは高くなりますから、製品の価格帯も上昇していきます。つまり同社はより高画質な4Kテレビを通じて、製品の販売単価を引き上げたいと考えているわけです。

 同社は2012年3月期決算において約4600億円の巨額赤字を計上したものの、2013年3月期決算では、何とか430億円の黒字を確保しました。2014年3月期の決算については、売上高が前年比約10%増の7兆5000億円、当期利益は500億円と増収増益を見込んでいます。しかし本業の儲けである営業利益は昨年と同水準となっており、利益率は向上していません。やはり本格的に復活したとはいえない状況です。

 かつてソニーは、ブラウン管全盛時代、トリニトロンという画期的な技術を用いたテレビで多くのファンを獲得しました。ウォークマンと並んで、高画質テレビはソニーにとって非常に象徴的な商品です。4Kテレビで完全復活というシナリオを描きたいところなのですが、4Kについては地上波の対応がまだ不透明な状況で、市場は今ひとつ盛り上がっていません。同社が劇的な復活を遂げるのは、そう簡単ではなさそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/11/4(水) 4:40
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