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「ソーシャルゲーム協会」解散危機報道、LINEが脱退した背景は?

2014/4/18(金) 10:00配信

THE PAGE

 ソーシャルゲームの業界団体である「一般社団法人ソーシャルゲーム協会(JASGA)」という業界団体が解散に向かっているとの報道が出ています。真偽の程は定かではありませんが、背景にはソーシャルゲーム業界における勢力地図の変化がありそうです。

 2014年3月31日、JASGAのメンバーであったLINE株式会社が同協会を脱退し、LINEの森川社長は理事を辞任しました。JASGAは、NHN Japan、グリー、サイバーエージェント、DeNA、ドワンゴ、ミクシィの6社が中心となって2012年11月に設立されました。ソーシャルゲームの開発会社など約50社が参加しています。

 JASGAは、ソーシャルゲームを安全に利用できる環境整備を目的に設立されたものですが、その本当の狙いはズバリ「コンプガチャ」対策でした。

 コンプガチャとは、モバイル系ゲームにおける課金システムのひとつで、有料アイテムの購入にくじ引き的な要素を組み合わせたものです。特定のアイテムを揃えると希少性の高いアイテムが入手できるようにすることで、利用者のアイテム購入を促す仕組みです。未成年の利用者の中にはこれに夢中になってしまい、結果的に多額の料金を請求されるというケースが多発しました。これを受けて消費者庁が、景品表示法で禁じる懸賞に当たると認定し、2012年5月には、各社が自主的にコンプガチャのサービスを取りやめました。業界としての統一した対応が必要との観点から、その後、組織されたのがこのJASGAというわけです。

 しかし協会設立後、モバイルをプラットフォームにしたゲーム業界はめまぐるしく変化しました。発足当初は、DeNA、グリーが提供する射幸性の高いゲームが流行していましたが、スマホの台頭でそのトレンドが変化。最近ではガンホー・オンライン・エンターテイメントが提供する「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」など、アプリを使った非ソーシャル系のゲームが主流となってきました。

 LINEが急成長したことも、勢力地図を塗り替える大きな原動力になっています。LINEはもはやメッセージング・サービスだけの会社とはいえず、若年層の生活インフラとなっています。あらゆるサービスの中のひとつにゲームが存在しているという位置付けであり、LINEとしては、ゲーム主体の協会に所属しているメリットは薄くなったといってよいでしょう。またこうした勢力図の変化にともない、規制当局もあまりソーシャルゲームに関心を寄せなくなった可能性もあります。

 従来の産業は変化のスピードが遅いですから、何か社会問題が発生した場合には、業界団体を通じて当局と交渉するというスタイルがうまく機能していました。しかし時代の変化は年々早くなっています。現在のスマホを中心としたプラットフォームもいつまで継続するのか誰にも分かりません。業界団体や当局の規制のあり方も、時代に合わせて変化させていく必要があるのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/30(土) 4:39
THE PAGE