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NISAの拡大は株へのシフトに効果はあるか?

2014/4/22(火) 17:00配信

THE PAGE

 政府がNISA(少額投資非課税制度)の拡大に乗り出す方針であるとの報道が出ています。株価対策が主な狙いと思われますが、これは効果があるのでしょうか?

 NISAとは、1999年に英国で導入された制度をもとにした非課税制度で、投資元本が年間100万円までならば、株や株式投信の値上がり益、配当・分配金にかかる税金が5年間非課税になるというものです。これまで銀行預金中心で株式投資をしたことがない層を株式市場に呼び込み、市場を活性化することが主な目的です。

 当初は、口座を開いた金融機関を変えられない、一部商品が対象にならないなど、多少の不備も指摘されましたが、制度が正式にスタートした2014年1月時点において、500万近い口座が開設されています。年内には800万口座を突破するとの予測もあり、まずまずの滑り出しといえます。

 経済誌の報道によると、政府は、現在100万円までとされている非課税枠を3倍の300万円にする方向で制度の改正を検討しているとのことです。その狙いはズバリ、株価対策と考えてよいでしょう。

 安倍政権発足以降、株価は順調に上昇を続け、2014年1月には1万6000円を突破しました。しかしその後、株価は急速に勢いを失い、現在では1万4000円台となっています。株価下落の大きな要因として指摘されているのが外国人投資家の売りです。日本には優良な企業がたくさんあるのになぜか日本人はこうした企業の株式に投資しません。日本の株式市場の売買高の実に7割が外国人投資家によって占められているといわれています。このため新興国不安やウクライナ問題など、海外でちょっとしたショックが起きると外国人投資家が資金を引き揚げてしまい、日本株は大きく下落してしまいます。

 長期安定政権を狙う安倍政権にとっては、日本株の下落によって外国人投資家が成長戦略にノーを突き付けたというストーリーを最も警戒していると考えられます。

 現在、NISAの口座には最大で5兆円の資金が入る計算です。これを3倍に拡大すれば、最大で15兆円の資金が株式市場に投入されることになります。これだけの資金量があれば、外国人投資家の売りを吸収することが可能であり、まさに政府はその効果を狙っているわけです。

 ただNISAは10年間の時限立法であり、非課税となる期間は購入後最大5年間に限定されています。現在のままでは、よほど株式市場が好調でない限り、非課税メリットがなくなる前に株式を売りに出す投資家が多いと考えられます。一部ではこうした事態を懸念し、制度の恒久化を求める声も上がっているようです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2014/12/20(土) 3:30
THE PAGE