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「朝日新聞東大生ゼロ」で考える、日本の学歴のとらえ方

2014/4/23(水) 15:00配信

THE PAGE

 2014年春に朝日新聞社に入社した新入社員で東大卒がゼロだったという報道が話題になっています。ネット上では、「新聞社の凋落を考えれば当たり前」「大学名にこだわるのはナンセンス」など様々な意見が飛び交っているようです。学歴は日本人にとっては一大テーマなのですが、そもそも学歴とはいったい何なのでしょうか?

 労働市場における学歴のとらえ方には、二種類あるといわれています。

 ひとつは身につけたスキルを証明する手段であるという考え方、もうひとつは今後の可能性を証明するものであるという考え方です。身につけたスキルを証明するものであれば、統計学を学んだ人は、統計のスキルがあるので、会社はそれに見合った仕事を与え、相応の給料を支払うということになります。本人が持つスキルが変わらない限り、その後の給料や役職も変化しない可能性が高いといってよいでしょう。また採用については、大学名というよりも、身につけているスキルがどの程度なのかということの方がより重要となってくるはずです。

 一方、学歴を今後の可能性(ポテンシャル)の証明と考えれば、偏差値の高い大学を出た学生は、専攻分野や現在のスキルとは関係なく将来の可能性が高いということになります。高学歴者は、幹部候補生として採用され、それに見合った形で昇進していきます。おそらく日本企業は、ほとんどがこのポテンシャル採用だと考えられます。

 報道によれば、東大卒がゼロだったことを聞いた朝日新聞の幹部は衝撃を受けたとのことですが、それはまさに学歴が将来のポテンシャルを表すものと同社幹部が考えていることを意味しています。また、新聞社は最近、凋落が激しいので東大卒がゼロで当然という考え方も、東大生はポテンシャルが高いということを前提にしたものといってよいでしょう。

 日本では、昭和の時代から学歴偏重が社会問題となってきましたが、まったく状況は変わっていません。現在では新卒採用において学歴不問が当たり前となっていますが、現実には学校名でスクリーニングを行っているともいわれています。つまり日本では高学歴者はポテンシャルが高く、採用で優遇されるということについては、ある程度のコンセンサスが出来ている可能性が高いのです。

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最終更新:2015/8/16(日) 4:21
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