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アマゾンに駆逐されているって本当? 家電量販店苦戦の理由とは

2014/4/27(日) 9:00配信

THE PAGE

 ビックカメラの傘下にある家電量販店のコジマが、四国から撤退することが明らかになりました。また業界最大手のヤマダ電機は2013年9月の中間決算で営業赤字に転落しています。アマゾンなどネット通販との価格競争で量販店が疲弊しているといわれますが、現状はどうなっているのでしょうか?

 業界トップのヤマダ電機の業績はこのところ冴えない状況が続いています。2011年には2兆2000億円近くあった売上高は年々減少し、2013年3月期の決算では1兆7000億円まで落ち込みました。2014年3月の決算見通しはなんとか増収を確保しそうな状況ですが、利益は減少する見込みです。

 量販店が厳しい状況に置かれているのは、ネット通販との価格競争が激しくなったことが原因といわれています。量販店で製品を確認し、ネットでさらに安い価格のものを探して注文してしまう利用者は一定数存在します。

 確かにアマゾンは急成長しているのですが、ネット通販と量販店ではその規模がまるで違います。アマゾンは国内の売上高を公表していませんが、現在では1兆円程度に達しているといわれ、このうちの何割かが家電製品ということになります。しかし、量販店はヤマダ電機だけで1兆7000億円、ビックカメラ、エディオン、ヨドバシカメラの各社は、それぞれ6000億円から8000億円の売上規模があります。ビックカメラを除く量販店各社は、軒並みヤマダ電機と同様の売上減少に見舞われており、これらの減少分がすべてネット通販に流れたとは考えにくい状況なのです。

 また、ネット通販が安いといっても、利益が出ている保証はありません。販売店に商品を出荷するメーカー各社は、基本的に販売数量の多いところに対して大きな値引きを行います。その意味でアマゾンはそれほど有利な位置にいるわけではありません。一説にはアマゾンは原価割れしても出荷するケースがあるといわれていますが、仮にそれが事実だとしても、永久にこうした販売戦略を続けることはできないでしょう。

 結局のところ、量販店苦戦の原因はほかのところにありそうです。最も考えられるのは消費者の購買力の低下です。今年の春闘ではようやく一部の企業が賃上げに踏み切りましたが、昨年までずっと賃金の減少が続いていました。消費者の購買力は低下する一方だったわけであり、ここ数年はおいそれと高額な家電を買える状況にはなかったと推察されます。量販店は比較的単価の高い商品が中心ですから、これが各社の売上げを低迷させる大きな要因になっていたと考えられます。

 アベノミクスの進展で世の中はインフレに向かいつつありますが、デフレを脱却したからといって、今後、量販店が大きく盛り返すかどうかは分かりません。まだ規模は小さいですが、今後もジワジワとネット通販がシェアを伸ばす可能性が高いからです。少なくとも最大手のヤマダ電機については、従来の出店戦略や製品戦略について、大幅な見直しが迫られることになるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/27(水) 2:44
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