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ポルシェ911の何がスゴイのか? 50年間変わらぬ「形」と「RR」

2014/4/27(日) 19:00配信

THE PAGE

世界中のスポーツカーの中で、知名度とブランド力が高いクルマと言えば、やはりフェラーリとポルシェはその頂点にあると言って良いだろう。わけても特にポルシェ911は世界中で武闘派ドライバーから厚い信頼を勝ち取ってきた。

911の何がどう優れているのかについて、かつて膝を打つような決定的な原稿を目にしたことがある。自動車評論家の沢村慎太朗氏が、自動車雑誌オートカー・ジャパンに寄稿したものだ。今回は沢村氏に許可をいただき、その論旨を辿りながらポルシェ911の何がスゴイのかを見ていきたい。

911は1964年のデビュー以来約半世紀、リアにエンジンを置いてリアを駆動するそのRRレイアウトの基本は変わらない。しかし、7世代に渡って大小様々な改良が重ねられ、デビュー時と現在ではもはや違うクルマだと言ってもよい。

世間では「最新のポルシェこそ最良のポルシェ」と言いならわされてきているが、もちろんそんなことは無い。モデルによって成功もあれば失敗もある。その個別の評価については沢村氏の書籍『午前零時の自動車評論』をお読みいただくとして、今回は50年間を通してみた911の俯瞰的な話をしたいと思う。

ボディ剛性のための「究極的造形」

かつて911のボディは「金庫のようだ」と形容された。金庫のようという言い回しは、ドアの開閉などに伴う体感的な「剛性感」に過ぎないが、意外にも実はかなり本質を言い現わしている。ポルシェの優れている点のひとつにそういう感覚レベルとは別のもっと本質的なボディの硬さがある。

離れてみると911の造形は鳥の卵に近い。卵型は進化の過程で研ぎ澄まされた究極的造形のひとつであり、構造的には人間の体重を支えられるほどの丈夫さを持っている。外殻による強度構造の理想形として古代から多くのエンジニアリングの参考にされてきた。身近な一例を挙げれば、かつてスバル360が、軽量安価で丈夫なボディを実現するために、やはり卵型を突き詰めた話は有名だが、そのバックグラウンドとしては富士重工の航空機メーカーとしてのエンジニアリングがあった。

軽量で剛性が高いことがクルマ以上に切実に求められる航空産業では、外骨格を構造体にするモノコック構造が早くから注目されていたが、その際にモデルになったのが卵だ。航空産業にも卵の形は多大な影響を与えているのだ。一言で言えば、卵型は形そのものが丈夫であり、911はその自然の摂理に従った無理のない形状をしている。

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最終更新:2016/2/4(木) 4:02
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