ここから本文です

日本の起業家が一気に高齢化 若者が起業しない理由は?

2014/4/28(月) 21:00配信

THE PAGE

 政府は4月25日、2014年版中小企業白書の概要を発表しました。安倍政権では日本を米国並みの起業大国にするとしていますが、その実態はどうなっているのでしょうか?

 一般に、日本人は起業に対するマインドが低いといわれています。世界銀行が行った起業環境に関する国際比較によると、日本の起業環境はOECD34カ国中31位とかなり低い結果になっています。起業を希望する人も年々減少しており、1979年に169万人いた起業希望者は、2012年には84万人にまで減少しています。しかし一方で、実際に起業した人の数はほとんど変わっていません。1979年には起業した人が26.6万人いましたが、2012年でも22.3万人の人が起業しています。長期の不況を反映して起業の希望者は激減しましたが、実際に起業した人の数はあまり変わっていないわけです。ただ、起業家の数は、日本の開業率の低さから考えれば、諸外国と比べてかなり少ないことが想像されます。

 起業家の数自体はあまり変化していない一方で、そのプロフィールは大きく変わりました。1979年にはわずか6.6%しかいなかった60歳以上の高齢者が、2012年には32.4%まで増加しています。現在では起業した人の3分の1が60歳以上なのです。また女性の割合は年々減少しています。かつて起業した人の4割が女性でしたが、現在では3割程度となっています。

 60代の起業家は定年退職をきっかけに起業したという人がほとんどです。人によってはある程度の年金が支給されていますから、最低限の生活が保障されている可能性が高く、こうした事情が起業を後押ししていると考えられます。また、日本は貯蓄の7割が高齢者に偏っているともいわれています。高齢者ほど、自己資金を準備しやすいというのも大きく影響しているでしょう。

 このようにして見ると、若者は起業に対する意識がまったくないように思えますが、必ずしもそうではありません。起業に踏み切らない理由を尋ねたアンケート調査では、高齢者は事業に失敗した時の不安をあげる人が多いのですが、若者は失敗に対する不安はそれほど大きくありません。若者に特徴的なのは、近くに起業家がいなかったので、現実味がなかったという回答です。白書では、若者が起業に関する情報に触れやすくすることで、起業家予備軍を増やせるのではないかと提言しています。

 もっとも、起業といってもいろいろあります。世界市場に挑戦するベンチャー企業もあれば、手の届く範囲で行うスモール・ビジネスもあるでしょう。白書によれば、起業のうち75%が会社形態ではなく、いわゆる個人事業主になっています。白書では、各地域をベースに地場に密着した形で起業家を支援する「創業スクール」制度にも言及しています。単なる予算獲得に終わってしまう可能性もありますが、起業に関する知識を広く普及させるという意味では一定の効果があるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/28(月) 4:16
THE PAGE

Yahoo!ニュースからのお知らせ