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30日に日銀会合 金融緩和はあるのか

2014/4/29(火) 9:00配信

THE PAGE

 日銀は4月30日に金融政策決定会合を行います。現在、市場では日銀が追加緩和に踏み切るかどうか注目が集まっていますが、今回の会合で追加緩和はあるのでしょうか?

 前回の会合で、日銀は現状の金融緩和政策の維持を決定しました。黒田総裁は記者会見で物価の上昇にかなりの自信を示す発言を行っています。前回の会合からあまり時間も経過していませんから、今回も追加緩和は発表されないとの見方が大半を占めています。

 ただ黒田総裁が自信を示した物価ですが、足元は非常に微妙な状況です。前年比では着実に物価は上がっていますが、その主な要因は円安による輸入物価の上昇です。円安が一段落していることから、物価上昇のペースも鈍化しつつあります。

総務省は4月25日、東京都区部の4月の消費者物価指数を発表しました。消費増税後初の物価統計であることから多くの関係者が注目していましたが、価格変動の大きい生鮮食料品を除いた指数の上昇は、前年同月比2.7%となりました。日銀は、消費増税による消費者物価指数の上昇について1.7%程度を見込んでいました。この分を差し引くと1.0%の上昇ということになり、これは3月の物価上昇率と同じ数字になります。市場では4月以降、便乗値上げも含めて物価上昇が加速するという見方がありましたが、今のところその兆候はないようです。

 日銀が想定するほどに、物価は上昇しないということになると、夏から秋にかけて追加緩和が発表される可能性が高まってきます。政府では消費税10%への増税を7~9月期のGDP(国内総生産)を見て判断するとしていますから、この数値を押し上げるためには、夏までに追加緩和を行う必要が出てきます。このため、市場では7月あたりに追加緩和に踏み切るとの声が多いようです。

 もっとも黒田総裁はそのようなことは百も承知のはずです。市場の期待を裏切る方が金融政策の効果は大きいといわれていますから、いわゆるサプライズを用意しているかもしれません。ひとつは今回の会合で一気に追加緩和を発表してしまうというもの、もうひとつは、追加緩和を行わないというものです。

 当初は消費増税後の反動で消費が大きく落ち込むとの見方が大半でしたが、企業の来年度の業績予想を見ると、増税の影響は軽微にとどまるところが多そうです。もし駆け込み需要の反動がそれほど大きくなければ、景気の落ち込みも限定的となり、追加緩和をしないという選択肢も出てきます。

 日銀にとって追加緩和は最後の手段ですから、できるだけ後に取っておきたいところです。夏に追加緩和を実施するとみるのが現状では妥当ですが、追加緩和がなくなる可能性も見ておいた方がよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/1/20(火) 4:40
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