ここから本文です

消費税増税から1カ月、便乗値上げってあったの? なかったの?

2014/4/30(水) 12:00配信

THE PAGE

 消費税の増税から1カ月が経過しました。増税前には便乗値上げなども心配されていましたが、果たして便乗値上げはあったのでしょうか?

 消費者庁では消費税の便乗値上げに関する相談窓口を設けていますが、4月1日~7日の間に同庁に寄せられた相談件数は442件でした。相談の内容は、コーヒーの税込み価格が200円から220円になったというものが多いとのことです。この相談件数が多いと見るのか少ないと見るのかは、人によって意見が異なるかもしれませんが、このケースだけを取り上げて、便乗値上げが横行していると判断するのは難しいでしょう。

 個別ケースでの判断は難しくても、全体的な物価動向を見ることで、便乗値上げについてある程度推測することは可能です。最初に注目されたのが東大物価指数です。

 東大物価指数とは、東京大学の研究者らが中心となって作成した新しい物価指数で、全国300店舗のPOS(販売時点情報管理)システムのデータを用い、日次で物価指数を算出するというものです。総務省が出している消費者物価指数よりも早く結果が分かるので市場関係者の注目を集めている指標です。

 これによると、4月1日は消費税の影響を除いた物価上昇率が0.8%に、翌日は1.3%に達し、かなりの範囲で便乗値上げが行われているのではないかと思われました。実際、この数値が発表された直後には「便乗値上げ横行か?」というような報道が多数出ています。しかしその後、指数は下落が続き、とうとうマイナスになる日も出てくるようになりました。結局、月末の段階では、ほぼ横ばいに近い状態になっています。生鮮食料品などは日々値段が変わりますから、指数も日々変化していきます。しかし1カ月を通して見ると、便乗値上げはそれほど行われていないように見えます。

 その後、25日になって、東京都区部における4月の消費者物価指数が発表されました。公式統計としては、消費増税後初めてのものになります。これによると、生鮮食料品を除いた総合指数は、前年同期比で2.7%の上昇となっています。政府の統計は消費税を含んだ数値ですから、便乗値上げの影響を考えるには、増税分を差し引かなければなりません。日銀では消費増税による消費者物価指数の上昇について、4月は1.7%程度になると見込んでいます。この分を差し引くと、物価上昇率は1.0%となり、先月(3月)と比較すると横ばいになります。やはり露骨なレベルの価格転嫁は行われていないようです。

 ただ売上げの減少などを見込んで、これから値上げを行う企業もあるかもしれません。しばらくは物価の動向に対しては注意が必要でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/4/24(金) 4:42
THE PAGE