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進むマンション所有者の高齢化 老朽化問題も現実的に

2014/5/2(金) 9:00配信

THE PAGE

 国土交通省が発表した2013年度マンション総合調査によると、世帯主の過半数は60歳以上となっており、マンション所有者の高齢化が進んでいることが明らかになりました。

 この調査は、マンション管理の実態を把握する目的で、管理組合や区分所有者に対して5年に1度行っているものです。この中で、1999年には約26%だった60歳以上の所有者の割合が、2013年には50%を超えたことが明らかになりました。マンション所有者の高齢化が、かなりのスピードで進んだことが分かります。この間にマンションの戸数は1.5倍に増えていますから、若い世代でマンションを購入する人が減ってきたことが想像されます。

 これにともなって所有者の永住意識も高まっており、過半数の所有者が現在住んでいるマンションを終の棲家にしたいと考えています。当然といえば当然ですが、年齢が上がるにつれて永住意識が高くなるという傾向が見られます。

 このところ、一部のマンションにおいて老朽化やスラム化といった問題が指摘されるようになっています。調査結果を見ると、マンションの空室率はむしろ低下しており、空室ゼロというマンションもまだ半分近くあります。マンションで発生するトラブルも年々少なくなっており、全体的なデータを見る限りは、今のところ大きな問題は発生していないようです。

 もっとも築年数別のデータでは、築年数が古いマンションほど空室率が高いという傾向が見られます。またマンションは建つ場所によって状況が大きく異なるものです。マンション購入者の年齢層が偏っており、かつ人口が減少する地域に建てられたマンションではこうした問題がすでに発生している可能性があると考えた方がよいでしょう。

 また、小康状態ともいえる現在の状況が、今後も長く続く保証はありません。高齢化した所有者は徐々に亡くなっていくことになります。その際、売却や相続などによって所有者が変わり、マンション全体の状況が変化してしまう可能性があるからです。旺盛な賃貸需要がある地域のマンションであれば、居住から投資へと目的は変わっても、引き続き優良な所有者が部屋を所有しますから、管理もしっかりと継続されることになるでしょう。しかし賃貸需要がない地域のマンションは収益を生み出しませんから、価格が下落し、場合によっては質の悪い所有者ばかりという状況になってしまうかもしれません。

 政府は老朽化したマンションの建て替えをスムーズに行うための法整備を進めています。場所によって状況は異なりますが、マンションの老朽化はそろそろ現実的な問題になってきそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/15(金) 4:25
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