ここから本文です

『アナと雪の女王』ヒットで注目 映画館はどう儲けるの?

2014/5/8(木) 10:00配信

THE PAGE

 ディスニーの長編アニメーション映画「アナと雪の女王」が絶好調です。公開からわずか1カ月半で、観客動員数1000万人を突破しましたが、これは、2008年の映画「崖の上のポニョ」以来となります。映画は久しく斜陽産業といわれてきましたが、その実態はどうなっているのでしょうか?

 映画館の興行収入は2004年以降、一貫して減少が続いていました。しかし2012年以降、売上高が急激に回復し、2013年には2004年を上回る水準まで回復しています。「風立ちぬ」などヒット作に恵まれたという部分もありますが、公開される映画の本数が増えていますから、売上高の回復は、公開本数の増加が大きく影響していると考えられます。

 映画館はイメージと異なり、比較的、利益を出しやすいビジネス・モデルといわれています。映画館の収入は、入場料に加えて、ポップコーンなどの飲食関連の売上げがあります。入場料と飲食の比率はおおよそ100対25くらいになっています。

 映画館は入場料の約50%を配給元に支払い、ここから運営費や減価償却費を差し引いたものが利益となります。映画館の損益分岐点は低く、おおよそ稼働率15%前後といわれています。80%から90%の稼働率にならないと儲からないホテルなどの業態に比べると、映画館はあまりお客さんが来なくても大丈夫なのです。

 映画業界は、以前は稼働率の情報を開示していたのですが、現在は詳しい情報を出していません。しかし、最近の稼働率は10%台後半で推移しているといわれていますから、何とか損益分岐点は超えていることになります。映画館にいくとガラガラだったという経験をしたことがある人も多いと思いますが、これでも映画館は何とかやっていけるのです。

 ただ、ここ1~2年の好調な状況が今後も続くのかは不透明です。最近の映画業界は、複合型の映画館(いわゆるシネコン)の増加で支えられてきた面がありますが、そろそろシネコンの立地が頭打ちになっているといわれています。郊外のショッピングモール併設型の映画館については、条件のよいところはほぼすべて出店してしまったという業界関係者の声もあります。今後は設備の近代化によって客を呼び込むという作戦は難しそうです。

 これは映画に限らずどの業界でも同じですが、人口減少の影響を受けて、潜在的な顧客数がどんどん減っています。また配給の構成も少々気になります。かつては圧倒的に洋画の割合が高かったのですが、ここ5年で洋画の興行収入は大きく減少し、代わりに邦画が大きく伸びました。

 現在の映画館は邦画で持っているわけですが、この中のかなりの割合がアニメとテレビ番組の劇場版と考えられます。今後も長期にわたってこれらのコンテンツが観客を動員し続けられるのかは少々微妙なところでしょう。「アナと雪の女王」は空前の大ヒット作となりそうですが、こうした洋画の興行収入動向が今後のカギを握ることになるかもしれません。
 
(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/9/30(水) 4:21
THE PAGE