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一人親世帯の貧困率 働いていても働いていなくても半分が貧困

2014/5/9(金) 6:00配信

THE PAGE

 働く女性の貧困問題が話題となっています。仕事があっても貧困水準の生活しかできないシングルマザーを取り上げたテレビ番組がきっかけなのですが、果たして現状はどうなっているのでしょうか。

 OECDがまとめた子供の貧困に関するデータを見ると、確かに日本の状況は深刻です。どの国でも、無職の一人親世帯の貧困率は高くなっており、日本の貧困率が突出して高いわけでありません。しかし、少々びっくりさせられるのが、仕事がある一人親世帯の貧困率です。日本における無職の一人親世帯の貧困率は50.4%なのですが、仕事があっても、その貧困率がほとんど変わらないのです。

 一方、諸外国は仕事がある場合には貧困率が軒並み20%以下に下がっています。日本では、一人親の世帯の場合、働いていても、働いていなくても、半分が貧困になっているという状況なのです。この統計では一人親であることしか分かりませんが、一人親世帯のかなりの割合がシングルマザーである可能性が高いので、この数字は彼女たちの現状を反映していると考えてよいでしょう。

 こうなってしまう背景には、女性の就労環境があると考えられます。女性の就業者のうち半数以上が非正規労働者なのですが、女性の非正規労働者の平均年収は200万円程度であり、これは男性正社員の約半分です。200万円というのもあくまで平均であり、実際には100万円程度の年収しか確保できない人もいると考えられます。この水準では確かに生活を成り立たせることはできませんし、ましてや子育てなどは不可能ということになります。

 こうした状況に対して、どこまで行政が対応すべきなのかについては意見が分かれています。本人の職業選択の結果なので自己責任として処理すべきだという意見もありますが、一方で、シングルマザーの多くが、DV被害者になっているという実態などから、積極的な対策が必要との声もあります。

 さらにいえば本人の問題に加えて、貧困家庭に育つ子供の問題もあります。このような家庭環境が原因で十分な教育が受けられないのだとすると、結果の平等以前に、機会の平等も保証されていない可能性があります。これを自己責任で済ませてしまうことは難しいでしょう。

 いずれにせよ、仕事を持っていても生活を維持できない状況が発生するというのは、健全な市場メカニズムが働いていない証拠とも考えられます。生活保護など社会保障の面だけで語られがちなテーマですが、もっと広範囲な視点での対策が必要かもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/19(金) 4:18
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