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物価連動国債を個人へ解禁、物価連動国債って何?

2014/5/20(火) 15:00配信

THE PAGE

 財務省は、物価連動国債の個人保有を2015年1月から解禁すると発表しました。これまで機関投資家に限定していた物価連動国債が個人でも買えるようになります。物価連動国債とはどのようなもので、投資家にはどんなメリットがあるのでしょうか。

 物価連動国債とは、物価に応じて元本が変動する国債のことです。通常の国債は100万円を投資した場合、満期が来ると元本である100万円が返ってきます。その間に投資家は利子をもらうことができます。物価連動国債は同様に保有期間中に利子をもらえますが、物価に応じて償還される元本が変化します。簡単に言ってしまえば、償還時点で物価が2倍になっていれば、200万円が償還されることになります。

 このような国債が発行されるのは、日本がインフレになる可能性が高くなっているからです。インフレになると物価が上昇しますが、国債を購入した投資家は損をしてしまいます。10年で物価が2倍になったと仮定すると、10年後には100円のものは200円に値上がりしています。逆にいえば、100円で買えるモノは半分になってしまっているわけです。

 10年物の国債に100万円を投資した投資家は、10年後に元本の償還を受けるわけですが、その間に物価が2倍になってしまったとしても、償還される金額はやはり100万円のままです。通常の国債では、実質的に価値が半分になってしまうことになります。

 物価連動国債であれば、こうした事態を回避することができます。これからインフレが進むと考えている投資家であれば、非常に魅力的な商品といってよいでしょう。

 実は、物価連動国債は2003年からすでに導入されているのですが、当時はデフレが進んでいました。このため、元本割れを起こすリスクが各方面から指摘され、2008年以降は発行を停止していたという経緯があります(その後、商品設計が変更になり、物価が下落した場合でも元本が保証されるようになっています)。

 もっとも、物価連動国債は大量に発行されるわけではありません。2014年度については、全体で約180兆円の国債が発行される予定ですが、このうち物価連動国債はわずか1兆2000億円程度にとどまる見込みです。状況をみながら発行量を増やしていく可能性がありますが、これから発行される国債が次々に物価連動国債に切り替わっていくほどの状況ではありません。 


(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2015/2/16(月) 2:53
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