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<掛布が語る>連勝の西と2回KOの藤浪に間にあった“違い”

2014/5/21(水) 7:16配信

THE PAGE

交流戦の開幕カードとなったオリックス対阪神の“関西ダービー”で、阪神の藤浪晋太郎と、オリックスの西勇輝の両先発が明暗を分けた。藤浪は、わずか59球、2イニングで6失点して降板。一方の西は、大量援護をバックに6回を2失点にまとめあげて、開幕からの連勝記録を8に伸ばした。1939年に高橋敏(当時阪急)が記録した球団記録を更新したそうである。

西は、コントロールが素晴らしい。そして、独特のリズム。足を上げてからの間が、早いのだ。通常、そこはタイミングを遅らせて、相手打者の間を狂わせるのだが、西の場合は、「さあ、来るぞ」と、打者に準備する時間を与えない。つまり、タイミングを遅らせるのではなく、タイミングを早めることで、打者の間を崩すという特異な投手だ。それでいて決して投げ急いでいるわけではない。ストレートは、140キロ前半だが、内角も要所で使うし、そのテンポに打者は、打ち損じる。

彼は、非常に後ろで守っている7人の野手を信頼しているように見える。聞くところによると、エースである金子千尋に「四球を出さないこと」をピッチングの極意として教えられたという。当たり前のことだが、「四球を出さないこと」は、野手を信頼して打たせるという気持ちである。そうなると、強い気持ちを持ってストライクゾーンで勝負していくし、チームの打線にもリズムが生まれていく。彼のピッチングは、勝つ投手の条件を満たしている。8連勝するのにも納得である。
 
対して藤浪は、ただ前しか向いていないように見えた。背番号「19」を見守っている7人の仲間がいることを忘れているようなピッチング内容だった。とにかく自分でコントロールの不安定さがわかっているので、スタートから120パーセントの全力ピッチングを余儀なくされる。下半身が安定していれば、その全力ピッチングは威圧感に変わるが、下半身が不安定でバランスが悪くボールが抜ける。一回二死二、三塁で坂口に打たれたタイムリーもフォークボールの抜け球。二回にヘルマンに浴びた2ランホームランも、キャッチャーの構えと逆にシュート回転して抜けていくような失投だった。西の失投は、打ち損じになるが、藤浪の失投は、ジャストミートに変わる。今のボールには本来の力がないのだ。

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最終更新:2015/6/18(木) 4:56
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