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農協改革って何をするの?そもそも農協ってどんな組織?

2014/5/23(金) 16:00配信

THE PAGE

 農協改革に関する議論が急激に盛り上がりを見せています。農協はよく耳にする団体ですが、具体的にどのような組織になっているのかはあまり知られていません。農協とはどのような組織で、農協改革とはどのようなことを目指しているのでしょうか。

 農業協同組合(JA)は、農業従事者や農業を営む法人によって組織された協同組合です。全国各地にある農協を取りまとめる中央組織として、全国農業協同組合中央会(JA全中)が存在しており、グループ全体の方向性の決定や指導などを行っています。また農産物の集荷や販売を一手に担う全国農業協同組合連合会(JA全農)や生命保険や損害保険のサービスを提供する全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)などの組織もあります。

 農協はもともと農業従事者のために設立された組織ですが、今では1万人以上の従業員を抱える巨大組織に膨れあがっています。全農はある意味で、日本で最大級の農業関連商社と言い換えることができますし、JA共済連は大規模な生損保会社ということになります。政治的な活動を行うJA全中は、いわばJAグループのためだけに存在する経団連とでもいうべき存在です。

 日本がまだ途上国だった時代には、農協に農作物を納めていれば、確実に代金を回収できたので、農家は安心して農作業に集中できるというメリットがありました。また、農家が農機具を購入する場合でも、農協を通した方が安心して購入することができました。資金的に困難であれば、農協は金融機関としての役割もありますから、融資のサービスを受けることも可能だったわけです。

 しかし、今ではネット直販など様々な販売ルートが存在しますし、農機具の購入にしても、オークションなど、安価に購入できる手段が整っています。関係者の一部からは、農協は農業従事者のための協同組合ではなく、その組織を維持・拡大することが目的になっているという声も聞こえてきます。農業従事者の中には、農協との関係を面倒なものと捉える人も出てきているのです。

 日本の農業はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉の進展など大きな岐路に立たされています。政府は、外国産の農作物に関税をかけたり、一律にコメを買い上げるといった保護的な政策から、地域ごとに競争力のある農業を育成する政策に舵を切り始めています。その流れの中で、農協のあり方も変えるべきという声が高まってきています。

 政府の規制改革会議・農業ワーキンググループでは、全中の指導によって全国一律の活動を行う体制をあらため、各農協が独立し、地域の実情に合ったサービスを提供するよう提言を行いました。しかし農業従事者の中には、全国一律の体制を崩してしまうと、弱い立場の農家の声が農政に反映されなくなるとして反発する人もいます。農協は自民党の有力な支持基盤のひとつでもあり、農協改革をめぐる与党内の調整は難航しそうな状況です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/30(土) 2:53
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