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Facebookが人の話を立ち聞き? プライバシーの商品化は新段階に

2014/5/26(月) 17:01配信

THE PAGE

 SNS大手の米フェイスブックは2014年5月21日、スマホのマイクから周囲の音を収集し、その内容を解析してくれるサービスを始めると発表しました。これはどういうものなのでしょうか?

 このサービスは、機能をオンにするとマイクのスイッチが入り、周囲の音を自動収集、聞いている音楽の曲名や、見ているTV番組の題名を自動表示してくれるというものです。フェイスブックでは「今何してる?」という投稿が活発ですが、これとリンクさせることで、○○の音楽を鑑賞中という投稿が可能になるともに、相手に対しては視聴可能なオーディオ付き投稿として表示されることになります。

 フェイスブックの利用者にとってはより便利になりますし、コンテンツとの結び付きが緊密になりますから、広告主から見れば非常に効果の高いサービスということになるでしょう。すでにメロディを解析する機能は存在していましたが、今回のサービスは、これを本格的に、かつ広範囲に応用したものと考えることができます。

 一方、このサービスに対しては懸念の声も上がっています。場合によっては、SNSの事業者が勝手に周囲の音を収集し、プライバシーを丸裸にしてしまう可能性があるからです。

 フェイスブックでは、利用者が希望しない限りはマイクのスイッチはオンにならないとしています。また収集した音はデータベースには蓄積しないとも説明しています。しかし欧米メディアの一部では、同社が音声データの蓄積を試みていると報じており、確かなことは分かりません。

 いずれにせよ、断片的とはいえ、生活空間の音をSNSのような事業者が収集できるようになると、事業者が得られる情報の質は格段にアップします。すでに音声認識技術は広く普及しており、多くの人がスマホに向かって話しかけています。スマホには個人情報が入っていますから、原理的には誰がどのような声を持っているのか紐付けできる環境が整っているわけです。

 ここに周囲の音を収集する技術が加わると、例えば街の喫茶店などで収集した音を解析し、周りに誰がいるのかを特定することも可能になります。また音声認識技術を使えば会話内容もある程度、分析することもできるようになるでしょう。そうなってくると、スマホの位置情報などと組み合わせて、個人の行動をある程度予測できるようになる可能性が出てくるわけです。

 もちろんこうした利用の仕方については、利用者から反発の声も予想されるため、事業者がすぐに実行するのかは分かりません。しかし理屈的にはこうした分析が可能になったということを、同サービスは示しているのです。個人のプライバシーの商品化は、もう一段踏み込んだ新しい段階に入ったと考えてよいでしょう。ちなみにこのサービスは、当初は米国のみとなる予定です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/4/18(土) 4:18
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