ここから本文です

<掛布が語る>阪神に一泡吹かせた日本ハム大谷の打撃進化

2014/6/1(日) 0:53配信

THE PAGE

阪神タイガースから勝利をもぎとったのは、高卒2年目を迎える北海道日ハムの“二刀流”、大谷翔平のバットだったと言っても過言ではない。5月31日、札幌で行われた日ハム対阪神。阪神が1点のリードで迎えた7回。先頭打者だった「3番・右翼」の大谷は、初球の変化球を狙いにいった。それは、右翼線に引っ張ってのファウルとなったが、続く2球目に、阪神の能見―清水のバッテリーは、126キロのスライダーを選択した。おそらく「裏をかいた」配球だったのだろう。本来ならば、インサイドへのストレートか、もしくは、ボールになる変化球でカウントを1-1と揃えてもいい場面ではあったが、大谷は、変化球狙いの読みを変えなかった。こういう場面で狙ったボールを徹底して待つ勇気は、並のバッターではできない。

大谷は、ストレートが来れば、ファウルでカットする心つもりだったのだろう。彼は、低めに落ちる、その変化球を凄まじく強いリストで真芯に捉えた。打球は、低い弾道を描いて、そのまま右中間スタンドの最前列に飛び込み、結果的にサヨナラ勝利へと、つなげることになる価値ある同点2号ソロとなった。低い打球が失速しなかったのは、左対左の対戦で、右肩でボールを抑えこむように変化球にタイミングを合わせ、強くリストを効かせたせいだ。

大谷のバッティングは、一見、窮屈そうに見えるが、実はヒッティングポイントは、かなり前にある。長打が打てる打法で、能見のようにストレートに力のある左腕を相手にして簡単にできるようなバッティング技術ではない。欲を言えば、もう少し下半身を使えるようになるのが理想だが、このアーチを見せられた瞬間、私は、大谷が、野球の神様から与えられているものの大きさを感じざるを得なかった。

昨年の夏頃に私は大谷の二刀流について批判的なコラムを書いた。彼の二刀流がチームに与えていた負の影響が気になっていたからである。また二刀流を封印して「投手として生きるべきではないか」という持論をも展開した。だが、2年目の大谷の置かれた立場は、チームの内外において大きく変わったように感じる。彼は、自らの技術的な成長と、結果を出すことにおいて、チームの内外に二刀流を納得させたのだ。不思議なもので、まだ高卒2年目だというのに顔つきまで大人びて見える。これだけのバッティングと、150キロを超えるストレートで押していく本格派のピッチングを見せつければ、誰も不満は口にできないだろう。

1/2ページ

最終更新:2016/2/23(火) 4:50
THE PAGE

スポーツナビ 野球情報

MLB 日本人選手出場試合11/23(木) 11:15