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ザックが大久保を右MFで使った理由

2014/6/3(火) 18:31配信

THE PAGE

日本の攻撃においてのストロングポイントのひとつは、改めて書くまでもなく、長友と香川、遠藤で形成される左サイドからの仕掛けだ。それは、キプロス戦でも証明されている。左で作って右で決める――。これが日本の攻撃の定石である。しかし、この日は、左SBには長友ではなく、守備的な今野が起用され、左サイドからの攻撃が低下することが予想できた。したがって、大久保の右サイドハーフでの起用は、攻撃の起点を右に移すという指揮官の意図だったのかもしれない。遠藤に代わってボランチに入った青山が右のボランチに入ってことからも、そのことが想像できた。

話を大久保に戻せば、残念だったのは、相手に引っ掛けられてボールを失う機会が途中から増えたことだろう。単独突破を試みて、ボールを突かれる場面が増えてしまった。もっとも、大久保自身には、その理由が整理されている。本来はDFとDFの間に入ってマークを外すのが得意だが、ザックジャパンの右サイドハーフの約束事として、サイドに張る時間を長くした。そのために孤立することが多くなってしまったのだ。

「後半の岡崎のプレーを見て、それぐらい中で受けてもいいんだって思った。それが分かっていれば、もう少し中でプレーしたんだけどね。本当はそれがやりたかったから。でも、監督には試合後、良かったぞって褒められた。嬉しかったね」。いずれにしても、キプロス戦に続いて大久保が存在感を示したことで、攻撃陣の組み合わせに幅が生まれてきたのは、間違いない。

1トップとして先発した大迫はポストプレーで周りを生かしたが、決定的なチャンスを逃し、優位性を示せなかった。一方、キプロス戦でノーゴールに終わった柿谷は1ゴール1アシストの活躍。ただし、これはコスタリカの足が止まったあとの記録。柿谷がやや優位とはいえ、決定打とは言えず、再び大久保の起用があってもおかしくない。

2列目に関しては、岡崎と香川のコンディションが上がってきたのが心強い。だが一方で、心配なのが本田のパフォーマンス。フリーで前を向ければ好パスを配給できたが、球際での強さ、フィニッシュの精度、フリーランニングといった面で本調子からは遠く、ボールを失う場面が目についた。ミランで出場機会が少なかった本田に関して、ザッケローニ監督は「なるべく出場機会を与えたい」と語った。そのため、6日に予定されるザンビア戦でもトップ下としてフル出場させることが予想される。「合わせてくるでしょう。俺は心配していない」と大久保も言うように、おそらく本田もコートジボワールとのW杯初戦には間に合わせてくると思われるが、練習中、大久保がずっとトップ下で試されているのは、万が一も想定してのことかもしれない。

ザッケローニ監督は「コートジボワール戦で選手のコンディションを100パーセントに持っていく」と常々、語っている。だが、ベストの状態にするのは、どうやら、コンディションだけではないようだ。選手の組み合わせ、立ち位置も、コートジボワール戦でベストにする――。逆に言えば、それまでは、選手起用にテストを含ませ、あえてベストを組まないようにしているのかもしれない。その点で言えば、チームは現状80パーセントの仕上がりで、テストに関してもまずまずで、選手起用、オプションの幅は確実に増えている。

あとは、コスタリカ戦で大事を取ってベンチからも外れた長谷部、いまだ本調子から程遠い本田ら、一部、予定より仕上がりが遅れている選手たちの状態をどう見るか。準備試合のラスト、ザンビア戦で指揮官のマネジメントに注目したい。

(文責・飯尾篤史/サッカーライター)

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最終更新:2018/10/5(金) 14:50
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