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ECBがマイナス金利導入を決定、その理由は?

2014/6/13(金) 6:00配信

THE PAGE

 欧州中央銀行(ECB)がとうとうマイナス金利の導入を決定しました。これは何を意味しているのでしょうか?

 ECBは2014年6月5日、定例理事会を開催し、政策金利をこれまでの0.25%から0.1%引き下げ、過去最低となる0.15%にしました。また、民間銀行から資金を預かる際の金利をマイナス0.1%にする、マイナス金利政策の導入も併せて決定しました。

 マイナス金利政策は民間の金融機関に対して融資を促すために行われます。金融機関が中央銀行に資金を預ける場合、通常は利子がつきます。しかしこの利子をマイナスにするということは、銀行にとってみれば、お金を預けると逆に利子を徴収されてしまうことを意味しています。このままでは銀行は損をしてしまうので、融資にお金を回すことになりますから、金融機関による融資の拡大が期待されます。主要国でマイナス金利政策を導入したのはECBが初めてとなります。

 ECBがマイナス金利の導入に踏み切ったのは、欧州経済がデフレに陥ってしまうことを回避するためです。欧州各国はリーマンショック後に噴出した債務危機は何とか乗り切りましたが、ユーロが抱える根本的な問題は何一つ解決されていません。その結果、景気は底を打ったものの、物価は思うように上がらず、失業率が高止まりするという状態が続いています。このままでは長期デフレに悩まされた日本のようになってしまうのではないかという指摘も出ています。

 ECBは金利をマイナスにして融資を拡大し、インフレ率の低下を防ごうとしているわけです。しかしマイナス0.1%の金利が実際に大きな効果を上げるとは考えにくいというのが現実です。市場関係者の多くが、今回のマイナス金利導入は、ECBが量的緩和策導入に踏み切るための準備段階と見ています。実際、ECBのドラギ総裁は、今後、ABS(資産担保証券)を購入することについて検討すると発言しており、今後の量的緩和策導入を示唆しています。

 スペインやフランスなど低成長に苦しむ国の多くが、日本と同じような構造的問題を抱えています。しかし、強制的なリストラや緊縮財政を強行すれば、ただでさえ高い失業率がさらに上昇するというジレンマを抱えています。金融政策は万能ではありませんが、少なくとも量的緩和策がこうした状況に対して一定の効果を持っていることは米国と日本で証明済みです。ECBはまもなく量的緩和策に踏み切ることになるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/1(月) 2:39
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