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秘密保護法の「監視組織」 何が国会審議の論点になっているの?

2014/6/16(月) 17:37配信

THE PAGE

 通常国会も終盤にせまった5月30日、自民、公明両党は衆参両院にそれぞれ常設の「情報監視審査会」を置く国会法改正案を衆院に提出しました。6月10日には民主党、日本維新の会、結いの党の野党3党が対案となる国会法改正法を提出。しかし12日には衆院において与党案が可決され、参議院に送られました。これは昨年、成立した特定秘密保護法の運用を監視する組織を設置するための法改正ですが、この「監視組織」の論点は何なのでしょうか。

【図表】秘密保護法の「監視組織」 与党案はどんな組織?

政府の記録提出に強制力がない与党案

 特定秘密保護法は1年以内の施行が定められています。しかし、運用に関してはまだしっかりとした枠組みが決められていません。特定秘密保護法附則10条にも次のような記述があります。
<特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護に関する方策については、国会において、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。>

 今回の国会法改正案の審議はそのためのものでした。与野党で大きな議論になったのが新設される「情報監視審査会」の位置づけです。自公案ではあくまで「行政の特定秘密保護に関する制度の運用を監視するための組織」として改正案を出しています。一方、野党3党の改正案は国会法104条の改正を主に求めるものでした。

国会法104条による規定

 現行の国会法は104条の第1項にこうあります。
<第百四条  各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。>

 しかし次の項では、政府側が提出に応じない理由を説明し、議院や委員会が了解すれば提出をする必要がないとされています。さらに3項では、その情報が「国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明」があった場合は、提出をする必要がないとあります。

 つまり、最終的に情報を提供するかどうかの判断は政府が握っているのが現行法なのです。

 与党案では104条に関しても改正案がありますが、「特定秘密である情報が含まれる報告又は記録の提出を求めた場合において」と但し書き付きです。あくまで与党案は特定秘密である情報に特化した改正案であり、「情報監視審査会」であるといえるでしょう。

 野党3党案は、104条の2項を新設し、特定秘密でなくても、すべての情報を国会が必要であると判断したら、その求めに応じて国会に提出しなければならないとしています。

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最終更新:2015/5/22(金) 3:48
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