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生前のグゥインに聞いたヒットの極意

2014/6/17(火) 17:36配信

THE PAGE

サンディエゴ・パドレスの永久欠番「19」、トニー・グゥインが、天国に旅立った。53歳。癌だったそうだ。若すぎる。悲しい死だ。

私は、1995年にメジャーデビューを果たした野茂英雄を追いかけて全米をカバーしていた頃、古いパドレスのスタジアムのロッカールームにグゥインを訪ねて話を聞いたことがあった。当時、パドレスのメンバーには、ドジャース時代に、センセーショナルを巻き起こしたバレンズエラがいて取材に忙しかったのだが、そう広くないロッカーで、グゥインを囲んだ記憶が鮮烈に残っている。

ずんぐりむっくりの体型からの広角打法。選球眼に優れていて、三振が少なく、左打者の特性を活かしてヒットが欲しい場面では精密に三遊間を狙い打つ。100発100中。彼に、その安打製造の極意を聞いたが、山のようなピッチャーのビデオ映像を見て「事前にしっかりと相手投手を研究するんだ。癖や配球のパターンを盗み、イメージして打席に入る」と語っていた。

メジャーは日本と違い球団数が多いので事前に相手投手のデータを綿密に調べて準備することは簡単ではない。だが、グゥインは、球種の癖まで盗み、ヒットの確率を高めた。8度の首位打者を獲得、19年連続3割以上の打率をマークして、通算3141本安打を放った裏には、そういう地道な研究と努力があった。

グゥインをインタビューした前年の1994年には打率.394と脅威のハイアベレージを残しながらも、メジャーリーグがストライキに突入したため、110試合を終えた時点でシーズンが途中で打ち切られることになり、夢の打率4割を果たすことができなかった。1941年のテッド・ウィリアムス以来の4割という打率について、グゥインは、「おそらく、あのまま残り試合が行われていたならば、達成することは可能だっただろう」と、断言した。嫌がるそぶりも見せず、真摯に応対してくれたグゥインが、やけに落ち着いて語った印象が強くある。

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最終更新:2015/11/19(木) 4:50
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