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ガソリン価格が高騰、その理由は?

2014/6/19(木) 10:00配信

THE PAGE

 このところガソリン価格が急騰しています。イラク情勢がにわかに緊迫化しているのですが、ガソリン価格の急騰は4月から始まっているため、かならずしも中東情勢が原因というわけではなさそうです。背景には何があるのでしょうか。

 資源エネルギー庁が発表した6月9日のレギュラーガソリン店頭価格は1リットル当たり166.6円(全国平均)でした。2014年3月末には159円でしたから、3カ月足らずで7円以上も値上がりしたことになります。もっとも、店頭価格のデータは消費込みですので、このうち5円弱は消費税の上乗せ分になります。しかし、消費増税後も高い価格は推移しており、消費増税の反動から値下がりするという雰囲気にはなっていません。

 基本的にガソリン価格は、日本が輸入する原油価格と連動します。しかし、国内には国内の販売事情があり、原油価格がダイレクトにガソリン価格に反映されるわけではありません。原油価格が上昇しても、国内の消費低迷を懸念して、値上げを遅らせることはよくあります。今回、4月に入って急に値上がりしたのは、まさにこれが理由と考えられます。

 昨年11月頃から国内の原油価格は上昇が続いており、半年で約10%も上昇しました。これはドルベースの原油価格の上昇と円安が複合的に作用したからです。しかしガソリンの店頭価格は横ばいが続いていました。石油の元売各社はそろそろ原油価格の上昇に耐えられなくなり、消費税の増税をきっかけに価格を引き上げたという図式です。

 国際的な石油市場には、現在、大きな変化が起こっています。米国で安価なシェールガス/シェールオイルの開発が進んだことで、米国は世界最大の石油消費国から、世界最大の石油産出国へと変化しているのです。米国は近い将来、すべてのエネルギーを自給できるようになるといわれています。

 当初は、米国で余剰となった石油や天然ガスが大量に輸出され、原油価格は大幅に下落すると予想されていました。しかし、今のところそうなってはいません。実は、米国は法律で石油や天然ガスの輸出が制限されており、そう簡単には石油や天然ガスを輸出できないのです。その理由は、米国内には、石油を輸出せずに、米国だけが安価な石油を使って産業の競争力を高めるべきという意見が根強くあるからです。

 もっとも米国のエネルギー輸出は徐々に許可される方向にあり、それにともなって原油価格も安定してくると考えられます。しかし、短期的に原油価格が下がる可能性は低く、為替も今のところは動きが少ないですから、ガソリン価格は高止まりしそうな状況です。車が生活の足になっている人には厳しい状況が続くかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/29(金) 3:49
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