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北陸新幹線開業で「廃線」となる区間や駅。大正時代の駅舎が役目を終える脇野田駅

2014/6/24(火) 10:01配信

THE PAGE

 来年3月の開業へ向け、着々と準備が進む北陸新幹線。長野~金沢間のレールは全てつながり、北陸新幹線用として開発されたJR東日本のE7系に続いてJR西日本のW7系も続々と完成。メーカーの工場から金沢まで、海上輸送で順次搬入されています。新たに設置される駅はもちろん、在来線駅に併設される各駅でも工事は急ピッチで進み、駅舎や駅前広場などがその姿を現しました。

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 その一方で、北陸新幹線の開業に伴って「廃線」となる区間や駅があるのをご存知でしょうか。「それは、JRから第三セクター鉄道に移管される、並行在来線のことでしょ?」というアナタ。いえいえ、そうじゃないんです。

乗り換えを便利にするため「廃線」に

 「廃線」となるのは、信越本線の脇野田駅(新潟県上越市)とその前後、約1.7kmの区間。この付近で信越本線と北陸新幹線が交差するため、新幹線にも駅を設置して乗換ができるように計画されました。ところが、現在の脇野田駅は交差する地点からは少し離れており、また新幹線の駅を脇野田駅の隣に設置することも、用地や線形の問題で不可能に。そこで考え出されたのが「新幹線の線路に沿って信越本線を移設し、新幹線の新駅に隣接する形で脇野田駅を移転する」というものでした。かくして、脇野田駅は現在地から西へ約300m、北陸新幹線の上越妙高駅がある場所へ「お引っ越し」することになり、この前後の区間が「廃止」されることになったのです。

 「新・脇野田駅」は、前述の通り北陸新幹線の上越妙高駅に隣接して設置。この新駅を含む新線区間は、新幹線の開業より一足早く今年10月頃に使用開始となるそうで、既に線路は大半が完成し、現在は駅周辺や踏切工事が行われています。ちなみに駅名は、北陸新幹線の開業に合わせて上越妙高駅へと変更される予定ですので、新駅が「脇野田駅」を名乗るのは約半年間だけ。ちょっとレアな光景が見られそうです。

大正時代の駅舎が役目を終える

 一方、移転後の「旧・脇野田駅」は、上越妙高駅の駅前広場やアクセス道路整備のため、早々に撤去される計画です。小さいながらも瓦葺きの立派な造りですが、それもそのはず、この駅舎は大正10年の開業時に建設されたもの。地元の人々の愛着も強く、駅舎内には「ありがとう脇野田駅」と書かれた横断幕が掲げられており、横には上越新幹線の起工式で使われた鍬や鋤などが展示されています。

 現・脇野田駅では新駅への移転に合わせて。地元自治体などによるお別れイベントなども企画されているそうです。90年以上にわたって大切に使い続けられてきた駅舎、ぜひ最後に訪れてみてはいかがでしょうか?
(文/伊原薫/鉄道ライター)

■伊原薫(いはら・かおる)
大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。

地図URL:http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=37.08165053462218&lon=138.2495828478567&z=13

最終更新:2014/6/24(火) 18:54
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