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エジプトに「軍人大統領」復活 アラブの春はどうなるの?

2014/6/24(火) 16:00配信

THE PAGE

 5月26日から3日間、エジプトで大統領選挙が行われ、ここで96.9パーセントの支持を集めた、元国防相で元陸軍大将のサイード・シシ氏が、6月8日正式に大統領に就任しました。「アラブの春」から3年余り。なぜ、エジプトでは軍に近い大統領が生まれたのでしょうか。

アラブの春から「軍人大統領」へ

 エジプトでは1981年から約30年その座にあったホスニー・ムバラク大統領が、中東・北アフリカ一帯に広がった民主化運動「アラブの春」のなか、大規模な抗議運動を受け、2011年2月に失脚。その後、エジプトで初の民主的な選挙を経て、2012年7月にイスラム主義組織「ムスリム同胞団」出身のムハンマド・モルシ氏が大統領に就任したのです。

 ところが、行政経験の乏しいモルシ政権のもとで経済状況は改善されず、失業率も悪化。さらに2012年11月には、イスラム色の強い新憲法の草案が採択されました。その結果、2013年6 月末から中間層に多いリベラル派やキリスト教徒を中心に、反モルシの抗議活動が拡大。各地で、ムスリム同胞団を支持する貧困層など親モルシ派との衝突が発生したのです。

 2013年7月、反モルシ派を支援する形でエジプト軍が蜂起。モルシ大統領をはじめ、政府やムスリム同胞団の幹部が相次いで逮捕されました。軍主導の暫定政権で、事実上の最高責任者となったのが、シシ陸軍大将でした。

「軍人大統領」が選ばれた理由

 シシ氏が今回の選挙で圧倒的な勝利を収めた理由は、大きく三つあげられます。
・暫定政権は治安回復を名目に、2013年11月にデモを規制する法律を発効させ、ほとんどの政治活動を取り締まっていたこと、
・モルシ政権のもとで経済、治安ともに悪化したことで、中核的な支持者以外がムスリム同胞団から離れており、さらに2013年12月に同胞団は「テロ組織」の指定を受けて、2014年4月18日に裁判所が683人の幹部に死刑判決を下すなど、徹底して弾圧されてきたこと、
・一方で、ムスリム同胞団とライバル関係にある他のイスラム系団体は、治安を回復したシシ氏の手腕を評価して支持したこと、です。

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最終更新:2016/1/25(月) 4:15
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