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「佐川ママ」は女性活用のモデルケースになるか?

2014/6/25(水) 7:00配信

THE PAGE

 宅配大手の佐川急便は、今後2年間で1万人の主婦パートを採用する方針を固めました。少量の荷物を自宅周辺で配送するというもので、働く側の負担が少ない方式となっているのが特徴です。今回の同社の取り組みは、女性活用のモデルケースのひとつになるかもしれません。

 佐川急便はセールスドライバーと呼ばれる正社員が、荷物の配送や集荷、決済などあらゆる業務を行っています。最近はネット通販の普及で、小さな荷物が多数届けられる傾向が強くなってきており、セールスドライバーの負担は大きくなる一方でした。これから募集する主婦パートは、自宅を中心に3キロ以内の範囲に限定。自転車や徒歩などで配送を行います。勤務シフトは自由に選べるようにし、同一エリアに複数の要員を配置して交代で業務を行うほか、同じマンションなどの配送は担当しないといった選択肢もあります。給与は配達個数に連動しており、1日3時間程度、週5日の勤務で月収5~8万円程度になります。

 現在、安倍政権では成長戦略の一環として女性活用を掲げています。しかし現実問題として女性の社会参加は容易ではありません。日本では現在、4500万人は働いていない状態なのですが、このうち約7割が女性となっています。専業主婦の正確な統計はありませんが、いわゆる専業主婦と呼ばれる人は1000万人を超えていると考えられます。

 働く男性の割合(労働力率)は世代を通じてほとんど変わらないのですが、女性の場合には、結婚適齢期といわれる25歳以降で減少するという傾向が見られます。これは結婚や出産を期に仕事をやめる女性が多いことを示しています。一旦仕事をやめてしまうと日本の場合、同じ条件で勤務に復帰することはかなり難しいというのが現実です。政府では、出産後もそのまま仕事が継続できるよう、子育て支援策を充実させようとしていますが、原因は制度の問題だけではないことから、その効果には疑問の声もあります。

 現実的な問題として、半分専業主婦のような形態を続けながら柔軟に働けることが望まれているわけです。ある中小企業の経営者は「勤務のシフトを柔軟にするという条件さえ出せれば、優秀な女性をたくさん採用できる」と話しています。結婚適齢期以降の女性の労働力の減少分は580万人ほどですが、ここに該当する人が皆、仕事に就いたとすると、日本の労働力人口は10%ほど増加することになります。

 日本は年金や医療など社会保障制度の維持が困難になってきており、女性の就労者数の増加は必須の状態といえます。佐川急便の主婦パートのような勤務形態は今後、多くの企業が導入していくことになるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/6/25(木) 4:14
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